令和元年5月24日に新型MAZDA3が国内発表されました。これまでのアクセラという名称から変わり、海外で使われていたMAZDA3という名称に統一されました。新型MAZDA3はマツダの新世代商品群の記念すべき第一弾です。
注目度の高い車種でしたので、私も気になっていました。試乗してみたいと思いつつも、重い腰が上がらずにいましたが、自宅からそう遠くないディーラーになんと珍しいMTの試乗車があると知り、速攻で予約しました。
先日、ディーラーに行ってきました。MAZDA3の展示車を間近で見ての感想と、6MTの試乗車を10分程度運転して感じたことについて書いていきます。
独特な造形のエクステリア
フロントフェイスです。加飾は少な目でシンプルです。フォグランプがないですね。後期型のアテンザが出た時、フォグランプがなくなっていて、のっぺりした印象を受けましたが、このMAZDA3を見ていて、むしろない方がいいと感じました。
大きなグリルに鋭い目つきですが、威圧感とは違う独特な佇まいを感じました。「引き算の美学」がどうのこうのとか聞いたことがありますが、シンプルだからこそ生まれる雰囲気ではないかと思います。
ポジションライトをつけた状態です。従来のようなアイラインという感じではなくなっています。個人的にはサイドの横線のLEDが気に入りました。
ファストバックにはサイドにキャラクターラインがなく、線ではなく、面で魅せるデザインにしているとのことです。味わい深そうなボディ形状です。また、太いCピラーが特徴的です。
テールゲートは丸みを帯びた独特な形状です。
荷室は開口部が高め、荷室の床面との段差があるのでタイヤなどの重くて大きいものの積み下ろしは大変そうです。
最近の車らしく、ボンネット位置は高めです。
このボディーカラーは「ポリメタルグレーメタリック」と言ってファストバック専用色とのことですが、個人的にはイメージカラーのソウルレッドよりもポリメタルグレーの方が好きです。
インテリアは質感高し
インテリアは車内にいるときは、常に目に入る・触れる部分なので大事です。新型MAZDA3のインテリアはかなり好印象でした。
これは「Burgundy Selection」というグレード専用の内装色です。赤というよりもえんじ色っぽいので、派手さはなく、上品な感じです。全体的にインテリアはシンプルにまとまっています。
シートに座ると、車室内は結構タイトだと感じました。
ダッシュボードは全体がソフトパッド仕様になっています。ダッシュボードとエアコン吹き出し口の間にある表皮にはスティッチも入っています。
後部座席は少々狭いです。頭上空間もルーフが下がっているため、余裕はなく、頭がつきそうなくらいです。
また、ファストバックは、下記の条件が重なっているため後部座席に座ると結構な閉塞感があります。
・Cピラーが太い
・全高(ルーフ)が低い
・後部座席ドアのウインドウが小さい(後ろにいくにつれて上下方向に小さくなる)
・リアガラスが上下方向に小さい
・ファストバックは天井の内装色が黒になる(セダンは白)
エアコンの操作スイッチ類や吹き出し口などは高い質感ながらも主張を抑えめで目立たないような配置・作りになっていると感じました。
グローブボックスは植毛加工されており、手触りが良いです。ただ、これは全車標準というわけではなく、プラスチックむき出しのタイプもありました。
コンソール側面にはニーパッドがあしらわれています。
ここら辺は見た目的にこだわっているのだと思いますが、ニーパッドとアームレストのラインが一直線に繋がっていて、すっきりして見えます。
また、センタコンソール、アームレストの幅が広いため高級車感があります。
真ん中は液晶ですが、3連メーターになっています。先代アクセラはグレードによってはタコメータがデジタルだったので、アナログのタコメーターがついているのは良いです。
メーター・ステアリング周りも質感高いです。
ドア内張りです。フロント・リア共にトリム上部から中央部まではソフトパッドが使われています。
写真にはほとんど写ってませんが、ドアグリップはしっかりしたものが付いています。ドアポケットのようにも見えますが、貫通していて、ちゃんと持ち手になっています。
また、パワーウインドウスイッチのクリック感は、滑らかな動きでしっかりした操作感があり、かなり好印象です。
ドアアームレストにはクッションが入っていてふかふかしています。指で押した感じは柔らかかったです。最近は欧州車を意識しているであろうマツダですが、私が試乗したBMW3シリーズやアウディTTのアームレストのクッションのようには硬くはありませんでした。
最後に、セダンのトランク上部はこのようになっています。
インテリアは正直、クラスを越えていると感じます。200万前半から購入できる車とは思えません。「インテリアと言えばマツダ」みたいになる日もそう遠くないかもしれません。
無理やりにでも荒探しをすると、BピラーとCピラーの内張りはプラスチックむき出しでした。(Aピラーは表皮付き)
6MTを試乗
一通り、展示車を観察した後は、いよいよ15S 6MT車の試乗をしました。私は初めて乗るMT車では、走り出す前に、まず半クラッチになる位置と、アクセルの吹け具合を確認します。
アクセルレスポンスは自然で、クラッチをゆっくり上げていくと、半クラになり動力がタイヤに伝わっていく感覚も分かりやすかったです。変な癖はありませんでした。
発進は非常にしやすく、一度発進操作をして感覚を掴めれば、後はまるで毎日乗っている車のように、スムーズに発進できるようになります。
発進してから20km/hまでの1速での加速時、回転数が上がるときの音がいかにもマニュアル車という感じがあり、個人的には好きです。
ステアリングは少々軽めでした。足は18インチ装着しているということもあり、多少のゴツゴツ感はありましたが、それでも乗り心地は良かったです。
車重 約1320kgに対して1500ccエンジンなので、パワー不足が懸念されるところですが、街中を走る程度では力不足を感じることはありませんでした。
むしろアンダーパワーな車をMTで運転するのは、街中でさえもすごく楽しく感じることができるので良いです。
ブレーキはレガシィに乗っている自分からすると、初期制動が強めだと感じました。最初はカックンブレーキになってしまいました。でも、個人的にはこのくらい初期制動が強い方が好みです。
クラッチペダルは軽めです。これはもうちょっと重い方がいいかなと思いました。
マニュアルのシフトレバーです。ストロークは短めで、かっちりしたシフトフィールです。
個人的に気に入った装備
これはいいと思った装備は「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」です。一般的にはヘッドアップディスプレイ(HUD)と呼ばれます。車速や制限速度、ナビの道路案内などをフロントガラス付近に照射して表示させるものです。
先代アクセラはダッシュボード上のコンバイナーに照射するタイプでしたが、MAZDA3はフロントガラスに照射するタイプのようです。
写真だと小さくて見にくいですが、結構遠くに「0」という白い文字の表示が見えると思います。運転手からの実際の見え方もかなり遠くに写っているように見えます。HUDが装備されていると営業マンより聞いていましたが、最初どこに写っているのか分かりませんでした。
しかし、この機能は便利で、普通に前向いて運転しているときに視界に入る位置にあります。そのため、見ようと思わなくても運転中視線を逸らすことなく、速度が分かります。それでいて、視界の邪魔になることもありません。
HUDなんて、そんな近代的な装備いらないし、使わないと思っていましたが、予想以上に実用的な装備で驚きました。この機能が全車標準装備されるようです。
間違いなく良い車
見た目もいい。インテリアの質感も高い。そしてマニュアルの設定があり、ドライバーが積極的に運転を楽しむこともできる。 文句の付け所がありません。
変わらずにマニュアルを設定しつづけてくれるMAZDAには感謝しかありませんね。ぜひマニュアルで乗ってみたい車です。
参考までに・・・15S Touring 6MT FF(車両本体価格227万)の見積もりをとってもらったところ総額260万ほどでした。
※先日、SKYACTIV-Xの6ATに試乗してきました。
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