レンタカーでBM型後期のアクセラスポーツの1.5ガソリンエンジン 6ATに乗ってきたので、レビューを書きたいと思います。
アクセラスポーツは気になっていた車の一つです。本当に乗ってみたいのは2.2ディーゼルの6MTの方ですが、一般的なレンタカーでは見つからないので15Sの6ATを借りてみることに。
タイトルにはレンタカーと記載していますが、カレコというカーシェアリングで借りています。ガソリン代込みで6時間4,980円なので、そこそこお得だったと思います。
このように月極駐車場に置いてあって、予約しておけばスマホのアプリで解錠して走りだせます。
予約時間前であればキャンセル可能ですし、前後の予約が入っていなければ直前になってから30分ずらす等の時間変更も可能なので利便性が良いですね。
まずはこの車の簡単なスペックを載せておきます。
借りた車の総走行距離は約32000km。
ドライブの目的地は奥多摩としました。
ゴー・ストップのある下道を通って、街中走行のフィーリングを確かめながら奥多摩へ向かい、奥多摩周遊道路のワインディングで走りやコーナリングを楽しむという行程です。
内装・インテリア
まず乗り込んで座った瞬間に感じたのが、シートがしっくりきて良い!ということです。
座面は柔らかいですが、タイトなつくりで体をしっかりと包み込んでくれて、体とシートの間に隙間ができにくいので、長距離走っても疲れにくかったです。
サイドサポートもしっかりしていてコーナーでも安心して身体を任せられます。
マツダの提唱する人馬一体がシート一つとっても感じられますね。
ダッシュボードはナビが鎮座している部分とメーターフード部以外はソフトパッドが使われています。
サンバイザーは硬い樹脂製でした。
グローブボックスは結構容量があります。車検証等の書類+ウェットティッシュやライトも入れられそうです。
センターコンソールのアームレストは運転席側がぽつんと少し飛び出ていて(赤丸部)、ちゃんとここに腕を置けます。
そして、アームレストに腕を置きながら手を下ろした位置で、マツダコネクトのコマンダーを操作できるようになっていました。操作しやすいように考えられた配置になっているようですね。
また、立派なハンドブレーキがあるのがいいですね。やっぱりこのタイプが一番好きです。後期型22XDは電動パーキングブレーキとなっているようですが。
15Sは真ん中にスピードメーター、左にデジタルのタコメーターが表示されます。
エアコン関係の操作系です。ダイヤルはカチカチというクリック感がはっきりしていて、目視せずとも温度調整がしやすいです。



A,B,Cピラー内張り表面には生地等は貼られていなく、硬い樹脂となっていました。
フロントのドア内張りは赤矢印のアッパーはソフトパッド、青矢印のセンターは生地が貼ってあり、緑矢印のアームレストはソフトパッドとなっています。
アームレストには中にクッションが入っているので、押すと弾力があります。
パワーウインドスイッチ周りはピアノブラックになっています。やはり小傷は目立ちますね。パワーウインドウは運転席のみオートです。
ドアロックのスイッチが見当たらなかったのが気になりました。
リアのドア内張りはセンターには生地が貼っていますが、アッパーとアームレストはフロントと違いソフトパッドはなく、硬い樹脂となっていました。
続いてペダル類。
シートに座った状態から右足を真っすぐ伸ばした位置にブレーキペダルがあるという配置になっています。
アクセルはオルガンペダルで若干斜めを向いていて、ブレーキ真下に置いたかかとを支点に自然にペダル操作できるような配置になっています。細かいこだわりが感じられます。
フットレストはありますが、表面がカーペット生地そのままとなっています。経年使用による擦れが気になるので、フロアマットで覆うかカバーがあった方がいいなと思います。
あまり評判がよろしくないマツダコネクトですが、レンタル中に使った感じでは何が良くないのかが分かりませんでした。
マツダコネクトを使うのはほぼ初めてでしたが、メニューの階層はシンプルで分かりやすく、直感的に使えて、ナビ検索も早かったです。
現在位置に戻る操作がワンアクションでできないのは不便だとは思いましたが、私基準からすると全然問題ないなという感想です。V37のナビは反応が遅いし、使いにくくて未だに慣れません。
内装の雰囲気はコンソールのダイヤルの配置やナビ、エアコン操作部などがBMWの旧3シリーズと似ている気がします。
エクステリアの写真はあまり撮ってないので省きます。
走行編
街中走行・エンジン・トランスミッション
エンジンを始動した瞬間から感じていましたが、低回転では結構「ガラガラ」音がして、最初はディーゼルエンジンのグレードなのかと思いました。
1500ccガソリンエンジンに6ATが組み合わされますが、アクセルを踏んでいったときのスピードの乗りはスムーズ且つ自然です。シフトショックもなく、レスポンスも良いですね。
0発進の出だしは少し多めにスロットルを開くようなセッティングなのかと思いますが、出足の飛び出すような感じはなく、右足でのペダルの踏み加減で速度コントロールがしやすかったです。
定速走行中にアクセルを意図的にポンと吹かすと駆動力が強まって前に出るのではなく、シフトダウンしてくれるのが面白いです。
車重1280kgに1500ccエンジンは物足りないのかと想像していましたが、乗車人数は一人では街中においてパワー不足は全く感じません。
Dレンジ時にシフトレバーを右に倒すとマニュアルモードに出来ます。
前に倒してシフトダウン、手前に引いてシフトアップとなっていますが、使ってみるとやはりこのタイプが直感的に操作できます。
V37は逆タイプなのですが、とっさにシフトダウンしたくなったときにシフトレバーを手前に引くというのには違和感がありますし、間違えてしまうこともしばしばです。(慣れでどうにでもなる気もしますが)
シフトダウン時の反応速度は86のATのような速さはないですが、十分に速く実用的だと感じます(V37スカイラインは反応が遅いので羨ましい)。
一方、シフトアップはなぜかシフトダウン時の反応よりワンテンポ遅いです。一呼吸置いてから反応する印象。
アクセルを抜いたときのエンジンブレーキはやや弱めなのかなと思います。マニュアルモードでシフトダウンすると回転合わせを伴い下のギアに落ちますが、あまり減速度は強まらない感じです。徐々に速度は落ちていきますが、すぐに減速度が高まる感じではないです。
6ATの印象は良かったです。市街地~山道走行含めて、ATであることのもどかしさは感じず、MTの設定がある車種は基本的にMTで乗りたい派ですが、これならATでもいいかもと思いました。
むしろATであることで、パワー不足を感じにくいということもあったんじゃないかと感じます。
ブレーキフィール
ブレーキはまさに踏んだ分だけ効くタイプ。
制動力が発生し始めるのが結構奥の方(遊び大きいイメージ)で、初期制動がマイルド(効き始める境がはっきりしない感じ)なため、最初は思ったよりもブレーキが効かないように感じて、やや焦ります。
制動力の立ち上がりはとてもリニアでコントロール性が良く、カックンブレーキとは無縁ですね。
ブレーキペダルを踏んだときのペダルが戻ろうとする反力がやや強めだなと感じました。踏むときに力がいるのと奥の方でマイルドに効き始めるブレーキのため、好みは分かれそうです。「ブレーキが効かない」って感じる人もいそう・・・
踏んだとき・抜いたときのコントロール性が良く、思った通りの位置にとまれるので私は好きなブレーキフィールです。
ペダルをちょっと踏めばギュンっと効く車も多いなか、良い意味で、車ってかなりの重量物なんだと感じさせてくれる車です。
ステアリングフィール
ステアリングの反応は穏やかですが、切っていったときの反応がリニアで操縦性が良かったです。
後から知ったのですが、ステアリングギア比は14.1:1らしいので、意外にも結構クイックなんですね。以前乗っていたギア比15 : 1のBLレガシィ GTよりスローに感じたので、穏やかな反応だと感じたのには主観が入っているかもしれません。
操舵力はまあまあ軽めでした。コーナー等でも軽いままなので、やや心もとない気はしました。ただ、不安定さはなく、コーナーではステアリングを切ったら思ったラインをぴったりとトレースしてくれるので、とても気持ちよいです。
山道・ワインディング走行
平日だったので奥多摩周遊道路は結構空いていて、上り下りともにペース良く走行できました。
タイヤはブリヂストンのトランザ、サイズは205/60R16でした。
コーナリング時はロールはあまり感じないですが、タイヤなのかサスペンションが原因なのか、コーナーの路面の凹凸でふわつく感じがありました。
ただ、ステアリングを切ったら思った通りのラインをきれいにトレースしますし、ぐいぐいと曲がってくれます。トレッドが広いですし、Gベクタリングコントロールの効果もありそうですね。
1500ccエンジンは余力はないものの、奥多摩周遊道路の上りでもパワー不足は感じず。トルクが足りない⇒アクセル踏み込む⇒シフトダウン、によるショックをあまり感じなかったので、トランスミッションが優れているのも要因かもしれません。
以前アクセラスポーツより200kg程軽い1500ccエンジンのMT車に乗っていましたが、重量増から想像していたパワー感とは異なり、むしろ重たいアクセラスポーツの方がパワーがあるようにすら感じました。
そして、このエンジンは適度に回したときのサウンドが心地よいですね。
試しにマニュアルモードで高回転まで引っ張ってみましたが、低中速トルクの太さと比べるとパワーの盛り上がりはあまりないかなという印象です。ATに任せて走った方が気持ちよかったです。
また、ミッションが賢く、下り坂では自動的にシフトダウンしてくれて速度上昇を抑えてくれます。手動でシフトダウンしなくてもAT任せで十分でした。
この賢いミッションと車重の軽さが武器となって、ひらひらとコーナリングできるので、これもまた気持ちが良い!
紅葉目的で来たわけではありませんが、鮮やかに色づいた木々の美しさに目を奪われて、思わず車をとめて写真を撮ってしまいます。
撮り方が下手なのかスマホの性能なのか、写真だとぱっとしないですが。
四季があるっていいですね。
気になった点
路面がざらついた国道などでは、ダッシュボードから終始ビリビリと音が発生していたので、そこは気になりました。
また、アクセラスポーツはボンネットが長いですが、着座位置からボンネットがほとんど見えないので、見切りは良くないと感じました。
まとめ
アクセラスポーツ15Sはとても良い車でした。想像以上で驚きました。
景色にも映えますし、このサイズ感のハッチバックっていいなあと感じます。
アクセル・ブレーキ・シート・操作系が直感的でしっくりきて、こういう乗ってみないと分からない感覚的な部分って大事だなと思わせてくれる車でした。(シートは特にお気に入り!)
2.2リッターディーゼルにも乗ってみたくなりました。アクセラの22XDは見つからなそうなので、アテンザかCX-5の22XDのレンタカーも借りてみたいです。