V37スカイラインハイブリッドはATですが、多くのAT車と同様にマニュアルモードにすることができます。
マニュアルモードと言っても、ATのスカイラインをMT車のように運転できるようなものではないですが、意外と実用性もありますし、面白いところもあるんです。
今回はV37スカイラインハイブリッドのマニュアルモードについて書きます。
街中では4速までしか入らない
シフトレバーをDレンジから右に倒すか、Type SPの場合はパドルシフトを使用することでマニュアルモードに移行します。
普段はマニュアルモードにして走行することはありません。
先日マニュアルモードでいろいろ試してみたときに気付いたのですが、メーター読みで時速65km/h程までは、4速までしか入らないようです。
60km/h、4速で1500回転程なのですが、5速に入れようとしても受け付けてくれないんですね。
ギア固定のマニュアルモードですが、5速で走行中に65km/hを下回ると勝手に4速に下がります。
Dレンジで走行しているときは、60km/hで1000回転ちょっとまで下がるので5速以上のギアに入っているのだと思いますが、マニュアルモードでは回転数が低くなり過ぎないようにするためか制限があるようですね。
また、65km/h以上になると5速に入りますが、そこから80km/hまでは6速、7速に入らず、80km/h以上になると6速、7速まで選択できるようになります。
マニュアルモードに入れるだけで回生ブレーキの効きが強くなる
普段マニュアルモードは使用しないと上述していますが、実は結構多用しています。
マニュアルモードに入れるだけで回生ブレーキ(ガソリン車のエンジンブレーキに相当)が強くなるからです。
ギアを下げなくてもアクセルOFF時の減速度合いが強まるので、下り坂や勢いづいた速度を緩めるために重宝します。
スカイラインハイブリッドはアクセルを離したときに、回生ブレーキが良く効くときは、十分減速してくれるのですが、スーっと滑走してしまうときもあります。
ハイブリッド且つAT車なので仕方ないかもしれませんが、マニュアルモードに入れるだけで回生ブレーキが強まることを知っていると運転のしやすさが違いますね。
減速しようと思っているときは、だいたいアクセルOFFにするのでEVモードに入っていることが多く、回生ブレーキとの相性も良いです。
マニュアルモードにしてアクセルを踏み込むとモーターの恩恵を感じる
V37スカイラインハイブリッドはその名の通り、エンジンとモーターの両方で駆動するハイブリッド車です。
ですが、意外とモーターの存在は控えめ(総走行距離の半分近くはEV走行なので実際には出番は多い)で、モーターの特徴である強いトルクを体感できるシチュエーションがなかなかありません。
エンジンorモーターのどちらかのみで走行ということが多く、エンジン+モーターが両駆動する場面が少ないからです。基本的にエンジンが主役でアクセルを強く踏むと、モーター駆動が停止してすぐにエンジンが始動します。
以前、フィットハイブリッドを運転したときは、発進時からモーターの力強さをはっきりと体感できました。
ですが、マニュアルモードにして高めのギア固定で低回転の状態からアクセルを大きく踏むと、エンジン+モーターのトルクを体感できます。
ギア固定によりシフトダウンしないので、足りないトルクをモーターで補ってくれるんですね。
例えば、(高速の)急坂を走行中に65km/h 5速1300回転付近からアクセルをグイっと強く踏み込んでみるようなシチュエーション。
1300回転程では坂道を急加速するにはトルクが足りないので、Dレンジだとシフトダウンして登坂力をあげます。ですが、マニュアルモードにしておくと、5速のままモーターのアシストを受けグイグイと登っていき、あっという間に80km/hに達するほどのトルクが出ます。
(※Dレンジのままでもシフトダウンせずにモーターがアシストしてくれることがありますが、アクセルを強く踏み込めば基本的にはシフトダウンすると思います。)
メーター中央のエネルギーモニターで、エンジンと電池のアイコン両方から車に向かって矢印が流れていれば、両方から駆動を受けていることになります。
回転を上げずにどっと力が出る感じがターボ車のようで面白いですね。イメージ的にはターボラグのないターボ車です。
おわりに
AT車のマニュアルモードはオモチャ感があるのも事実ですが、人間が操作できる余地が広がるという意味では面白いですね。
スカイラインハイブリッドはモーター単体でも最大トルク290N・mのポテンシャルがあるので、エンジン+モーターが組み合わさると非常に力強いですね。
参考:【1kWって何馬力?】分かりにくい最高出力(kW)表示を何となくイメージしやすくする