今回は、布製のタイヤチェーン「オートソック(AutoSock)」についてレビューします。
雪がめったに降らない地域に住んでいる人は、スタッドレスタイヤを持っていない人も多いと思います。
私も以前乗っていた車ではスタッドレスタイヤを持っていたのですが、出番がほとんどなくコストに見合わないと感じたので、今の車では準備していません。
緊急用としてタイヤチェーンが欲しいところですが、ありがたいことに、メーカー様から布製タイヤチェーン「オートソック」をご提供いただく機会がありました。
布製タイヤチェーンは聞いたことがある程度でしたが、実際に使用してみると、
- 取付け・取外しがとにかく簡単!
- コンパクトで収納の場所をとらない
- タイヤハウスが狭い車でも装着できる
- 走行してもガタガタと振動しない
と、かなり良い感触です。
まだ雪道走行はしておらず、脱着と装着した状態で車両を軽く動かしただけですが、レビューしたいと思います。
オートソック(AutoSock)について
オートソックは北欧の国ノルウェー生まれの布製タイヤチェーンです。
布製タイヤチェーンにもいろいろな製品がありますが、オートソックはカー用品店のオートバックスでも取り扱いがあるので知名度がありますね。
引用:https://www.nissan.co.jp/OPTIONAL-PARTS/AUTOSOCK/
日産自動車の純正アクセサリーにも採用されています。
オートソック公式サイトの情報を参照すると、以下のようなスペックになります。
走行可能距離 | 乾いた路面:120km、雪道:数百km |
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推奨運転速度 | 乗用車:時速50km以下、 バスやフォークリフト:時速30km以下 |
そこまで長距離走行はできませんし、速度も50km/h以下が推奨されているので、あくまで緊急用・急な積雪への対応のため。といった感じでしょうか。
「ノーマルタイヤだけどオートソック装着してスキー場へ行こう」のような用途ではないですね。
オートソックの外観
収納袋に入った状態で、縦30cm、横30cm、厚み10cmくらいです。
とてもコンパクトでスリムです。
重量は収納袋に入った状態で1,100gほど。タイヤチェーンとしてはかなり軽量な部類に入るかと思います。
サイズ、重量からして、トランクにポンッと置いてても問題ないくらいですね。
内容物は以下の通り。
- オートソック本体×2
- 説明書
- 袖付きビニール手袋×2
オートソック取付け時に、タイヤハウスに手を突っ込むため袖や手首が汚れるので、袖の長い手袋が付属しているのはありがたいですね。
普通の軍手などを使って取付けすると袖が土で汚れてしまいます。
オートソック本体は、折りたたまれた状態では、たたんだ薄手のニットと同じくらいのサイズ感です。
オートソック表側。十字に入っているオレンジ色のベルトは、タイヤに装着したオートソックを外すときに引っ張るために使います。
ホイールと接触する網の部分は、柔らかい素材なのでホイールが擦れて傷つく心配はないと思います。
オートソック裏側。ゴムの部分を引き伸ばしてタイヤに被せます。
タイヤのトレッド側(地面に接する部分)を覆う素材はこんな感じです。
「布製」タイヤチェーンといっても、Tシャツみたいなザ・布という素材ではなく、固めで頑丈な繊維でできています。
調べてみると、ポリエステル繊維を特殊な織り方で仕上げているらしいです。この部分が滑りの原因となるタイヤと雪の間の水膜を吸収し、グリップを得ます。
オートソックをしまうときは、このように一旦広げてから、簡単に折りたためるので収納性が非常に良いです。
コンパクトで軽量なので、車のトランクの隅などに常備しておけますね。いざという時にいつでも使えるので、かなりポイント高いです。
非金属チェーンを使用していたときは、収納ケースが大きくてかさばるので、家で保管していましたから。
オートソックを装着してみる
装着はかなり簡単です。おおまかな流れは、
- オートソックのゴムを広げてタイヤの上半分にかぶせる
- 車をタイヤ半回転分動かす
- 残りの半分をかぶせる
たったこれだけです。
装着車両はV37型のスカイライン。後輪駆動車なので後輪に装着します。
V37スカイラインは純正状態でもタイヤハウスの隙間がとても狭いので、一般的なタイヤチェーンを装着するのは難しいのではないかと思います。
一番狭いところで指が2本入るくらいの隙間しかありません。
上記写真は非金属タイヤチェーンを装着している場面ですが、チェーン自体がごついので、タイヤハウスにある程度隙間がないと取り付けは難しいです。
V37スカイラインでは、ジャッキアップしないと取り付けできないと思います。
オートソック裏側のゴムを広げて、このようにタイヤの上半分をかぶせます。だいたい青く塗った範囲くらいですね。
このとき、ちゃんとタイヤの裏側にオートソックのゴムの部分をかぶせます。タイヤの裏側まで口の部分を引き伸ばすので、ある程度力がいります。
タイヤハウス内に手を突っ込むため服の袖が汚れるので、軍手ではなくて、付属の袖付き手袋をつけたほうが良いです。
上半分をかぶせたら、車をタイヤ半回転分、前後どちらかに動かします。
すると、先ほど下側だった、まだかぶせていない箇所が上に来るので、同じ要領でタイヤ奥側にかぶせます。
装着完了です。
初めてでしたが、片側5分くらいで取り付けられました。2回目以降はもっと早くできると思います。
下からのぞくと、オートソックがちゃんとタイヤ裏側までかぶさっているのが分かりますね。
軽く試走(といっても数m程度)しましたが、何も履いていないかのように振動もなくスムーズに走りますね。
以前使用していた非金属タイヤチェーンは、アスファルトやほぼ積雪のない路面を走ると、車が壊れるんじゃないかというくらいにガタガタと振動したので、乗り心地に関しては段違いです。
オートソックを取り外す
取り外しは、装着するよりもだいぶ簡単です。
オレンジ色のベルトを引っ張ります。
写真を撮りながらなので片手で引っ張っていますが、できれば両手で引っ張ったほうが外しやすいと思います。
タイヤからオートソックが外れ、もう少し引っ張れば、
この状態まで外れます。
タイヤの接地面でオートソックを踏んでいるだけなので、あとは車を少し動かすだけで取り外しできます。
取り外しは1分もかからないですね。
緊急時の使用には十分そう!
雪道走行はまだしていないので、実際の走行性能は分かりません。
ですが、JAFが出している比較動画(スタッドレス、タイヤチェーン、オールシーズン、オートソックなど)を見ても、オートソックは雪道で十分使えそうです。
動画内では、オートソックを装着したFF車は、圧雪路の勾配12%の坂道を上ることができ、坂道途中からの発進もできています。
圧雪路の登坂性能はオールシーズンタイヤよりも良い成績を収めています。
オートソックはこんな人におすすめ
めったに雪が降らない(降っても年数回)地域に住んでいる
オートソックは、何といっても取り付け/取り外しが簡単です。
初見でも片側5分程度で装着できました。慣れたら片側1,2分で装着できそうです。
非金属タイヤチェーンは事前に装着練習をしていても、いざ積雪があった時の本番では、手がかじかんでうまく動かないし、装着方法があやふやになっていて、装着に思ったより時間が掛かりました。
年に1回あるかどうかのイベントで、これ↑を手際よく装着するのは難しいと思います。
めったに雪が降らない地域での緊急用として、布製チェーンのオートソックはおすすめです。
後輪駆動車や車高を下げていてタイヤハウスが狭い車
金属/非金属タイヤチェーンは、装着時にタイヤハウスにある程度の隙間が必要です。
また、製品によっては装着時にハンドルを切る必要がありますが、後輪駆動車はタイヤを左右には動かせないので、装着が難しいと思います。
オートソックは薄いですし、側面からタイヤにかぶせるだけなので、上記のようなことはありません。
なので、もともとタイヤハウスの隙間が小さい外車や、車高を下げている車、後輪駆動車などには、オートソックが合うと思います。
まとめ
もう一度、オートソックの特徴をまとめると、
- 取付け・取外しがとにかく簡単!
- コンパクトで収納の場所をとらない
- タイヤハウスが狭い車でも装着できる
- 走行してもガタガタと振動しない
です。
特に、私のような普段雪が降らない地域に住んでいる人からすると、いざ積雪があったときに簡単に装着できるのは、なによりのメリットです。
安価な非金属タイヤチェーンと比べると、オートソックの方が値段は高いですが、装着の手軽さ、置き場所をとらない、装着車両を選ばない、メリットからもおすすめできる製品です。