先日、車載ジャッキを使ってノーマルタイヤからスタッドレスタイヤへ交換しました
せっかくなので、車載ジャッキを使ったタイヤ交換手順について、誰かしらの参考になればと思い、なるべく丁寧に書きたいと思います。車両はSUBARU レガシィ(BL/BP型)です。
タイヤ交換はオートバックスなどに頼むと工賃が掛かるし、時期によっては多くの人が依頼するので長時間待たされると思います。
タイヤ交換は車に元々備わっている車載ジャッキ・工具さえあれば自分でできます。工賃払うことや長時間待たされることを考えると自分でささっとやってしまうのも一つの手ですね。
タイヤ交換に必要なもの
車載ジャッキ
車載ジャッキは車を持ち上げてタイヤを浮かせるために必要になります。一般的に車載ジャッキといったら写真のようなパンタグラフジャッキが多いと思います。
車載ジャッキをくるくる回すハンドル
一般的な車載ジャッキ(パンタグラフジャッキ)はネジ部分を回すことで、ジャッキが上下方向に伸縮し車を持ち上げます。
このネジ部分は何も持ち上げていない状態であれば、手で簡単に回せますが、車を持ち上げて負荷が掛かり始めると硬くて素手では回せません。
なので、軽い力で回せるようにハンドルのようなものを上の写真の赤丸の穴に引っ掛けて回します。ハンドルの形状は車種によって異なります。
ホイールナットを回すレンチ
タイヤ・ホイールを外すために必要になります。
車載のレンチでもいいのですが、車載のレンチは柄が短く、そこそこ硬く締まっているホイールナットを緩めるには力が必要で疲れます。
ここは、クロスレンチがあるとかなり効率が良くなります。
左右から両手で力を掛けられるので少ない力で回せ、またナットを回せるスピードが車載レンチと比べ断然に速いです。
タイヤを4輪とも交換する場合、5穴ホイールの車であれば、ナットの脱着は5個×4本×2回で40回することになります。ナットを素早く回せるクロスレンチがあれば大幅に時間と労力を節約できますし、1,000円程で売っているので、一つ持っておいて損はないと思います。
私の車の場合はトランクボード下の小物入れにうまい具合にクロスレンチが収まります。
上記の車載ジャッキ・工具類の格納場所は車種によって異なります。ハッチバックやワゴン車ではラゲッジサイドの内装のカバーを外した中に隠れていたりします。
例としてBL型のレガシィの場合は、トランクボードの裏にジャッキを回すハンドルが、その下の小物入れを持ち上げたところにあるスペアタイヤ上の収納スペースに車載ジャッキとボックスレンチが格納されています。
ジャッキアップ・タイヤ交換の手順
車載ジャッキは車のサイドにあるジャッキポイントに対して使います。サイドのジャッキポイントは左右前輪の後ろ、左右後輪の前の計4か所にあるのが普通です。
間違った場所にジャッキを掛けて車を持ち上げると、車のボディを凹ませたり、ジャッキが外れて車が落ちる危険性があります。
ジャッキアップする前に必ず自分の車のジャッキポイントがどこかは事前確認しておきましょう。
また、前輪を持ち上げるときはサイドブレーキを掛け、後輪を持ち上げるときは前輪にタイヤ止めを置き、ジャッキアップ中に車がずれ動かないようにします。
ここは左前輪側ですが、赤く囲った辺りにサイドのジャッキポイントがあります。車体裏にあるので横からは見えません。膝をついて下から覗き込むと、
上の写真のように切り欠きが2箇所あります。この切り欠きの間がジャッキを掛けられるポイントとなります。
別の角度から見るとジャッキポイントはこのような場所にあります。
車載ジャッキの溝に先ほどの切り欠きの間の部分が挟るようにジャッキをセットします。
屈んで目視しながら矢印のネジを手で回してジャッキを伸ばし、ジャッキの溝に切り欠きの間の部分がちゃんと挟まるようにします。正しいジャッキポイントに掛けないままジャッキアップすると危ないので、ここは目視しながらやることが大事です。
これは後輪側ですが、こんな感じにジャッキを掛けます。
この状態にまでなったら、これ以上手で回すことはできないので、後はハンドルを使って回していきます。
フックをジャッキに引っ掛けて、
写真のように左手で固定しながらそこを軸として右手で回します。時計回りでジャッキアップ、反時計回りでジャッキダウンとなります。
※ここで回すのが非常に硬い場合は無理に回さな方がいいかもしれません。ネジ部のグリス切れや異物を噛んでいる場合もあり、無理に回すと最悪の場合ジャッキアップの途中でジャッキが壊れてしまう可能性もあります。
⇒【メンテナンス】動きの重い車載ジャッキにグリスアップをしてみる
※車載ジャッキが硬すぎて使えない場合は、レバーを上下するだけで持ち上がる油圧のパンタジャッキが売っているので、そういうのを買ってもいいかもしれません。
ここで少しだけ車を持ち上げたら、タイヤが浮き上がる前にホイールナットを少し緩めておきます。完全にタイヤが浮き上がってしまうと、ホイールナットを緩めようとしてもタイヤが一緒に回ってしまい難しくなるので、タイヤが接地した状態で緩めます。
少しだけ車を持ち上げた状態でホイールナットを緩める理由は、完全にタイヤが地面に付いた状態で緩めるとハブボルトに負担が掛かるためよくないからのようです。
ホイールナットを緩めるときは、時計回り・反時計回りの順に緩めるのではなく、一つ緩めたら次は対角線上にあるナットという具合で緩めていきます。5穴ホイールの場合は星を描くときの順番のイメージです。
柄の短い車載のレンチでホイールナットを緩めるには結構力が必要で、試しにやったところ上から体重を掛けるようにしないと緩みませんでした。
対してクロスレンチだと長さがある上に両手で左右から力を掛けられるので、車載レンチと比べると簡単にナットが緩められます。
ナットを全て緩め終わったら、ハンドルを回してタイヤが浮き上がるまでジャッキアップします。ジャッキは高く上げるほど不安定になるので、上げ過ぎない方が良いと思います。
ただ、あまりにも地面すれすれだとタイヤを取り付けるときがやりにくいし、交換するタイヤの外径が少しでも大きいとはめられなくなるので、多少は余裕があった方がいいですね。
タイヤが浮き上がったら、先ほど少し緩めておいたホイールナットを外していきます。
ここもクロスレンチがあると断然速いです。ホイールと垂直になっている方の棒を軸にしてくるくると回します。
クロスレンチの使い方|タイヤ交換に便利な十字レンチ|ニューレイトン
くるくると回すやり方はこちらの動画の0:25~が参考になると思います。
くるくると回すコツは滑り止めのない軍手をすることです。滑り止めがある場合は滑り止めが手の甲にくるように軍手を装着すれば良いですね。
取り外したホイールナットは中に砂が入る可能性があるので地面に直接置かない方がいいです。
ナットが全て外れたらタイヤ・ホイールを外しますが、このときの注意点として、横から引きずり出すように外さない方がいいです。ネジを傷めますし、外れた瞬間にホイールがブレーキのバックプレートにぶつかって曲げてしまう恐れがあります。
タイヤを上に持ち上げながら抜くようにした方がいいです。
バックプレートは頑丈なものではないので、簡単に曲がってしまいます。
タイヤを外したら、新しいタイヤを装着します。
砂等を噛みこまないように、取り付ける前にナットの中に息を吹きかけて砂等をとばしておきます。
ナットを取り付けるときはいきなり工具で回すのでなく、最初の何回転かは工具を使わず手で回した方がいいです。工具を使うとナットは簡単に回りますが、砂の噛み込みやナットが斜めに入っていたとしても気付きにくく、ネジを傷めてしまう可能性があります。
まずは、ナットは5個とも手で回して軽く取り付けます。
それからレンチを使って仮締めしていきます。取り外すとき同様に星を描くような順番で数回に分けて締めていきます。
締め加減としては軽い力では締まらなくなるまで程度でいいと思います。
仮締めが終わったら車載ジャッキのハンドルを反時計方向に回してジャッキダウンします。
そして、タイヤが着地したら忘れずに必ず本締めをします。
私はトルクレンチを使って100N・m程で締めました。トルクレンチがない場合は走行中に外れたりしないように強く締めたくなりますが、締めすぎには注意した方がいいです。
トルクレンチはやや高いですが、今後も自分でタイヤ交換をやっていくつもりであればあってもいいのではないかと思います。正しいトルクで締められるので精神衛生上もいいですね。
私はタイヤが着地した時点で「終わったー」と一息ついて本締めを忘れてしまいそうになることがあります。一度、本締めを忘れたまましばらく走ってしまったことがありますが、ナットが緩いことに気付いたときは血の気が引きました。走行中にタイヤが脱落すると大惨事になる可能性もあるので、本締めだけは本当に忘れないように注意が必要です。
本締めが終わればタイヤ交換は完了です。4本交換する場合は残りも同様にやります。
さいごに
私は前後輪を2本ずつを持ち上げられるフロアジャッキを持っていますが、重たくて取り回しが大変だし、ジャッキポイントを探るのに少し時間が掛かるので、タイヤ交換程度であればむしろ車載ジャッキを使ってやった方が楽で時間的にも早いのではないかと思いました。
また、今回私は砂利の上で車載ジャッキを使っていますが、 本来なら車載ジャッキは硬くて平らなコンクリートの上での使用が想定され、砂利上での使用は推奨されていないと思います。
ジャッキアップ中に車の重みでジャッキが地面にめり込み、車が落ちてくる可能性もあるので、砂利でジャッキアップする場合はジャッキの下に鉄板を敷くなど、十分に気を付ける必要があります。