最近、車の乗り心地・操縦性の悪さに悩まされ、楽しいはずの運転が嫌になるほどです。いろいろと考えていることがあり、サスペンションについてよく調べているのですが、先日、興味深い記事を見つけました。
「へたったショックアブソーバーにホースバンドを巻くと減衰力があがる・しゃっきりした乗り心地になる」
らしいのです。にわかには信じられない話ですが、その記事では実際にホースバンドを巻いて減衰力が上がったと書かれていました。
※ホースバンドとはパイプ同士を繋ぐ際に外れないように締めて固定する器具のことです。
初耳だし、そんなことあるか?と疑問に思い「ショックアブソーバー ホースバンド」で検索してみると、みんカラの記事が複数ヒット。
一つ一つ見ていきましたが、ほとんどの記事で「乗り心地が良くなった・しっかりした」旨の報告がされています。
記事が投稿されたのは2009年頃が一番多く、もう10年前の情報。最近の記事も少ないながらもありますが、2009年あたりに一部の人の間でホースバンド巻きが流行していたのでしょうか?
半信半疑ですが、ホースバンドは安いし、タイヤを外すだけで簡単に装着できるので試しにやってみることにしました。
ショックアブソーバーのどこにホースバンドを巻くのか?
ショックアブソーバーの外側ケースに巻くようです。写真のショックだと赤線の範囲。水色のブーツのすぐ左側もケース部分ですが、ストロークしたときブーツがぶつかる場所なのでやめた方がいいですね。
はっきりした原理は不明ですが、ピストンがストロークして内部のオイルが移動するときにショックの外側ケースが内圧でわずかに膨張してしまう。しかし、ホースバンドできつく締め付けることでケースの膨張を防ぎ、ピストンの動きがよりゆっくりになることで減衰力が向上する?ようです。(本当かどうかは分からない)
もし、そうだとすると減衰力復活よりも減衰力強化の方が正しいかもしれませんね。
でもショックのケースを触ったことがある人は分かると思いますが、金属製で触った感じはかなり頑丈です。内圧で膨張するようには見えないし、ホースバンドなんて巻いて効果があるとはとても思えないのですが・・・
早速ホースバンドの効力を実車で試す!
オカルトチューンみたいな話で半信半疑であったものの、悩み事を安くお手軽に解決できるかもしれない話なので、早くやってみたくてうずうずでした。
とりあえずは不満の大きいフロントショックで試すことにしました。比較的きれいな路面を走っていてもフロントの上下方向の動きが大きく、とにかく不安定なのです。真っすぐ走るのも怖いほどです。
ショックアブソーバーは新品交換してから6,000km程しか使っていませんが、既に減衰力不足を感じています。
ホースバンドの準備ですが、
BL/BPレガシィの場合はフロントショックの筒の直径は50mm程なので、直径40~60mmのホースバンド(1本約300円×2)をホームセンターで購入。
ホースバンドにも数種類ありますが、使うのは写真のタイプ。ネジがついてあり、マイナスドライバーで回すことで緩めたり締めたりできます。
そして早速作業開始。
ジャッキアップし、タイヤを外します。(車載ジャッキでやっていますが、安全面を考慮するとちゃんとウマをかけて作業するのをおすすめします)
ショックアブソーバーのケースにホースバンドを巻く。これで作業完了。めちゃくちゃ簡単です。念のため、ネジ部が出っ張っているのでハンドルを全切りしてもタイヤ等と干渉しなさそうな場所を選びました。
取り敢えずは左右共に1本だけ巻いて試すことにしました。締め加減としてはこれ以上締められないというくらいに力を入れて締めています。
ホースバンドを巻いた効果は?
これ、本当に効果あります!
減衰力が上がり、フロントの上下方向のふわふわした動きが抑えられ、しゃきっとした乗り心地になりました。
取り付け直後に試走したときは効果を感じられず、「やっぱりオカルトチューンだったか」とがっくりしたのですが、しばらく色んなところを走っていると明らかに車の挙動が以前と違うことに気付きます。
フロントのふわふわした動きが明らかに抑えられているので、かなり運転しやすくなりました。
「これはすごい!」と、その日の内にホースバンドを2本買い増しして、翌日フロント左右に各1本ずつ追加しました。
短時間しか乗っていないのでホースバンドを1本⇒2本に増やした効果は感じ取れませんでしたが、今のところホースバンドを巻いて減衰力が向上したことで体感している効果は、下記の通り。
・乗り心地の不安定さが解消
⇒減衰力向上に伴い不快なピッチングが激減しました。これまではアクセルを踏んでただ真っすぐ走るだけでもふわふわして怖かったのですが、フラットに走るようになり、操縦性は大幅向上。
・ステアリングインフォメーションの向上
⇒ハンドルの重みが増しました。ハンドル切って曲がるときのしっかりした手応えが特にGOOD。アクセルを踏めば、タイヤが路面を蹴っているのが伝わってきます。これらは先日ステアリングギアボックスブッシュを強化品に交換したこととの相乗効果もあるかもしれません。
・エンジンブレーキの効きが自然になった
⇒エンジンブレーキの効きが弱く、「ぐわんぐわんぐわん」みたいに速度の落ち方も一定でなく、速度コントロールが難しかったのですが、これらが改善され、街中においてアクセルのオンオフでの速度コントロールがしやすくなりました。
これらの効果は減衰力向上によって無駄なピッチングが減り、タイヤを安定して接地させられるようになったことに起因していると考えています。
1000円程でここまでの効果が得られ、個人的にはコスパ抜群です。もう一度言いますが、本当に効果あります。プラシーボではないです。
安価で乗り心地を改善できるホースバンドチューン。やってみる価値あり!
ショックアブソーバーは高価なので、車の乗り心地が悪くなっても交換せずに乗り続けるという人が多いと思います。
そういう人にとって、ショックへのホースバンド巻きはお金も掛からないし、タイヤを外すだけの簡単作業で大きな効果が得られるので、やってみる価値ありだと思います。(ただし自己責任で)
散々悩まされ続けた乗り心地の悪さ・不安定さがたった1000円で大幅に改善されたので、ただただ驚くばかりです。
ただ、ホースバンドを巻くことで減衰力が上がる確かな根拠は不明で、ショック本体への影響も分からないので、無責任におすすめできるとまでは言えないのが残念です。
また、今回ホースバンドを巻いたのは複筒式のショックアブソーバー(KYB Lowfer Sports)ですが、ビルシュタインなどの単筒式ショックアブソーバーに対しても同様に効果があるのか気になるところです。
※後日、リアショックにもホースバンドを装着しました。
※追記
ホースバンドを巻いて以来かなり調子が良かったのですが、2週間ほどして、減衰力が弱くなってしまいました。↓の記事にも書いています。
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