先日、ビルシュタインのオーバーホールをエナペタルに依頼し、減衰力調整機能付きの「エナペタルE-12」として舞い戻ってきました。
オーバーホールしたのはビルシュタインB12のショックアブソーバーですが、BL/BPレガシィのビルシュタインB12はリアショックにCリング式の車高調整機能が付いています。
オーバーホールされて戻ってきた「エナペタルE-12」の外装は基本的にビルシュタインB12と同じなので、Cリング式の車高調整機能はそのまま残っています。
聞いた話では、ツーリングワゴンとB4とでリアの重さが違うため、同じサスペンションを使用したときのツーリングワゴンの尻下がり、B4の尻上がりの補正のためにCリング式の車高調整機能がついているんだとか。
ショックの筒に6本の溝が刻んであるのが分かると思います。下から4本目の溝にはCリングが付けられています。このCリングの位置を調整することでスプリングシートの位置が変わるので、Cリングの溝の範囲内で車高調整ができるわけです。
溝と溝の間隔は約5mmといったところです。
レガシィB4のメーカー推奨のCリング位置は下から2番目とのこと。でも写真の通り、オーバーホールから返ってきたときは下から4番目についていたので、そのまま使うと尻上がりスタイルになってしまう可能性があります。
なのでCリング位置を調整することにしました。
やり方は知らないのでネットでCリングの調整の仕方について検索したのですが、あまり情報がなかったんですよね。(検索ワードが悪かったか?)
なので誰かしらの役に立つかなということで試行錯誤したCリング調整の手順を残しておきます。(正しいやり方なのかどうかは分からないです・・・)
Cリングの位置を調整する
まずはスプリングシートを外します。これはCリングの上に乗っかっているだけなので、固着していなければ上から持ち上げれば普通に外せます。
スプリングシートは上にずらすだけでもCリングの位置調整はできますが、何かの拍子でスプリングシートがずれてピストンロッドに当たって傷をつける可能性が考えられるので、抜き取ってしまった方がいいと思います。
(これは作業完了後の写真ですが、)Cリングの全周を見ていくと口が開いている箇所があります。Cリングはその名前の通り「C」の形状をしています。視力検査の輪っかみたいな形状ですね。
Cリングは溝にはまっているだけなので、溝から浮き上がらせてずらせば位置変更できます。
が、見ての通りCリングは細く、指で摘まんで溝から引き抜こうにも力を加えづらく、どうも無理そうです。口の部分を広げて浮き上がらようとするなど、いろいろとトライしましたが、指を怪我しそうな気がして止めました。
そこで使った道具がラジオペンチです。
口の部分にラジオペンチを突っ込んでラジオペンチを開き、Cリングを広げて若干浮かせます。
すると上手くいけばこのようにCリングがずれて溝から出ます。こうなってしまえば後はこっちものです。
マイナスドライバーを使ってCリングの浮き出た部分を押して次の溝へと移動させてやります。
一周に渡って少しずつ移動させていきます。
Cリングが一つ下の溝へ移動しました。地味ですが、上記作業を繰り返して目的の溝まで一つ一つ移動させます。
余談
疑問に思ったのですが、Cリングってこんなに細くて強度的には問題ないのでしょうか。この細いリングにスプリングシートが乗っかり、その上にスプリングが装着され車の車重を支えます。ボキッって折れたりしないのかな?
これはスプリングシートの裏側ですが、矢印で示した部分がCリングに引っ掛かることでスプリングシートの位置が固定されます。
ちなみに、Cリング脱着にはスナップリングプライヤーという工具が便利なようですね。一般的なペンチなどと違ってグリップを握ると先端が広がります。C形止め輪を着脱する専用工具のようです。