前車BLレガシィに乗っていたときに購入したTEINの EnduraPro PLUS。装着してから短期間でレガシィを手放すことになったため、ほとんど使用していませんが、せっかく高いお金を払って購入したので、レビュー記事の一つでも書いておこうと思います。
EnduraPro / EnduraPro PLUSはTEINから出ている純正形状のショックアブソーバーです。PLUSの有無の違いは減衰力調整機能があるかどうかです。EnduraPro PLUSには16段の減衰力調整機能が付与されています。
車高調メーカーのイメージのあるTEINですが、純正形状のショックアブソーバーも販売しているんですね。
TEIN EnduraPro PLUSの特徴
純正形状(純正交換タイプ)
純正のショックアブソーバーと同形状なので、純正のショックアブソーバーがへたったときに、スプリングはそのままにショックのみ交換できます。ローダウンスプリングと組み合わせない限り、車高が低くなることもありません。
対応車種も豊富なので、乗り心地改善のためのショック交換の候補の一つとして選択しても良いと思います。
本体はTEINカラーのグリーンで塗装されているので、タイヤハウスの隙間からちらっと見えたときに、足元のアクセントにもなりそうです。
オイル容量が多く耐久性が高い
純正ショックよりシェルケース径を太くしてオイル容量をアップすることで、耐久性の向上に加え、長期間にわたり安定した減衰力性能を発揮できるようです。
上の写真は純正ショックではなく、KYB Lowfer Sportsとの比較ですが、明らかにTEIN EnduraPro PLUSの方が太いです。手でつかんでみるとより分かります。
使われているダンパーオイルも低温から高温に至るまで安定した粘度特性を持つ高性能オイルのようです。
また、強度向上のためナックルへの取付部の板厚も増しているらしいですが、ここの部分の板厚はKYB Lowfer Sportsと比べて太くなっているようには見受けられませんでした。車種によって異なるっていう但し書きがあったので、BL/BPレガシィの場合は該当しないのでしょう。
ハイドロ・バンプ・ストッパー(H.B.S.)
出典:TEIN
サスペンションが大きくストロークするような衝撃があった際に減衰力を高める機構をもつことで、突き上げや挙動の乱れを抑えることができるようです。
フル乗車や荷物満載状態で凹凸や段差、うねりを乗り越えたときも不快な突き上げがなく、短時間で挙動を安定さることができるようです。
減衰力調整機能がついている
純正形状のショックアブソーバーにも関わらず、減衰力調整機能がついている珍しい商品です。BL/BPレガシィの市販の純正形状ショックで減衰力調整機能がついているのはおそらくこの製品だけではないかと思います。16段もあるので細かく調整できます。
ダイヤルは弱める方向に16段以上回りますが、製品の構造上、特に問題はないようです。ただ、それ以上回しても減衰力の変化はないようです。
注意点ですが、ダイヤルに強い力をかけすぎるとダイヤルが壊れて減衰力調整ができなくなります。私は取り付け時にピストンロッドの共回り止めとしてダイヤルに強い力を掛けて壊してしまいました。
使用した感想
レビュー記事としては失格かもしれませんが、残念ながらレビューと呼べるようなものが書けないです・・・
使用した期間が短いというのもありますが、装着したレガシィの乗り心地が原因不明の別の要因であまりにも悪く、ショック単体での評価ができませんでした。そもそも交換前のショックもへたってはいませんでした。
ただ、減衰力はそこまで強くなく、ソフト目な乗り心地なのかと思います。減衰を一番強くしてもピストンロッドを手で縮ませたときの反発はそこまで強くなく、戻る速度も速かったからです。(手で押したときの感覚では正しい評価はできないと思いますが)
また、商品説明にBL/BPレガシィ2.0R,2.0i用と記載されていることからも、純正ビルシュタイン装着車に要求される減衰力より低いのだと思います。
ちなみに、純正ビルシュタイン装着車は取付不可と記載されていますが、取り付け自体は問題なくできます。減衰力の設定が2.0R,2.0i向けのため取付不可としていると思われます。
ショックがへたってきたときの交換用ショックとしてメジャーなのは、KYBのNEW SR SPECIALかと思いますが、TEINのEnduraProも結構おすすめできると感じます。NEW SR SPECIALより少し高いですが、見た目からして耐久性も他製品より高そうだし、コスパは高いです。
1本あたり+2000円で、減衰力調整機能付きのEnduraPro PLUSにすることもできます。
地味な印象を受けるEnduraProシリーズですが、TEINの世界戦略製品なんだそうです。
日本は自動車の成熟市場かもしれないですが、モータリゼーションが進み、台数が増え続ける中国、アジアなど、路面コンディションの悪い国・地域ではショックアブソーバーは消耗品の扱いをされていて、耐久性に優れ、乗り心地に優れる純正交換品は需要が見込めるみたいですね。
レガシィへの取り付け時の失敗
DIYで取り付けをしましたが、不注意と不器用が重なっていろいろとやらかしました。
まず、BL/BPレガシィは矢印で指した小さな金属カラーがないと取り付けできないのですが、これを失くしてしまいました。
いつもはこんなところにあったか!で見つかるパターンが多いですが、今回は探しても探しても見つからず、諦めてホームセンターで代用できそうなものを購入して取り付けました。
が、正規品ではないので、ショック本体の固定が甘くなっていて「コトコト」音が鳴るようになってしまいました。
TEINに問い合わせたところ、この金属カラーは単品注文できるようです。もし、なくしてしまったら迷うことなく購入することをすすめます。
品番:SAP13-94201
定価:¥1,000(税別/1個)
もう一つは、ピストンロッドのネジ部を新品とは思えない程の錆び具合にしてしまいました。
ピストンロッドのトップナットを締めていく工程で、ピストンロッドの共回り防止のために、ネジの部分をラジオペンチで掴みながらナットを回していくのですが、どうも力を掛けづらくて、ペンチの中でピストンロッドがぐりぐり回ってしまい、ネジ部をぼろぼろに削ってしまいました。その結果、ものの数日で上の写真のように錆だらけになってしまいました。
加えて、上述した減衰力調整ダイヤルを破損させたこともそうですね。
おわりに
結局、EnduraPro PLUSを装着してもレガシィの乗り心地・操縦性は改善されず、お金を掛けた甲斐もなかったのですが、今となっては後悔はしていません。
月日が経ってから、あのときショックアブソーバーを交換してたら、まだレガシィに乗れてたんじゃないかとモヤモヤと考えることもないからです。
ショック交換の効果がなかったことで、もうこれ以上レガシィには乗り続けられないなと、踏ん切りがついたというのもあります。