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【1kWって何馬力?】分かりにくい最高出力(kW)表示を何となくイメージしやすくする

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みなさんは最高出力200kWと聞いてどのくらいのパワーが出る車か想像がつきますでしょうか。

200PS(ピーエス)ではなく、200kW(キロワット)ですよ。

 

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引用:toyota gazoo racing公式サイト

この数値は先日発表されたGRヤリスのエンジン最高出力です。

【GRヤリス エンジンスペック】
・最高出力:200kW(272PS)
・最大トルク:370N・m(37.7kgf・m)

1.6リッター3気筒ターボエンジンから272PSが絞り出されるとんでもないスペックです。

200kWというとパワー感が分かりにくいですが、かなり高出力であることが分かります。

あまり馴染みのないkW(キロワット)という単位ですが、〇〇kWと聞いてどのくらいのパワーが出る車なのか「全く見当もつかない」から「何となく分かる」程度のイメージを持ちたいと思い、勉強がてらこの記事を書きました。

 

 馬力(PS)とkW

一般的に車の最高出力を表すとき、113馬力や203PSなど、馬力(PS)表示の方を見聞きすることの方が多く、そちらの方が馴染み深くエンジン性能が分かりやすいという人は多いかと思います。

逆に83kW、149kWという表示になると、どのくらいのパワーが出る車なのかいまいちパッとしないのではないでしょうか?私もそうです。

 

1992年の新計量法によって、計量単位を国際標準化するため、エンジン出力単位は「PS」⇒「kW(キロワット)」、エンジントルク単位は「kgf・m」⇒「N・m(ニュートンメートル)」という表記になりました。

ただ、現在でも車の主要諸元などには下記のように「PS」「kW」、「kgf・m」「N・m」は併記されていますし、普通に使われています。

f:id:humidasu_1:20200201202831p:plain引用:レクサス IS350 主要諸元表

なので、エンジンスペックについては今でも「〇〇PS」「〇〇kgf・m」という値の方がしっくりくるという人が多いのではないでしょうか。

 

1kWって何馬力(PS)か?

1kWは約1.36馬力(PS)となります。(1kW=1.35962PS)

ただ、1kWが何馬力に相当するかが分かっても、例えば、147kWを暗算で1.36倍して瞬時に馬力換算できる人はなかなかいないと思います。かといってわざわざ電卓を持ち出すのも面倒です。

最高出力147kWと聞いてもそのパワー感はいまいち分かりにくいままです。

できれば最高出力147kWと見るだけで馬力(PS)換算しなくても「パワー出てて速そうだな」などと感じられるようになりたいところです。

 

ちなみにトルクの単位は1kgf・m=約9.8N・mで、10倍 or 10分の一にすればだいたいですが、互いに換算できるので、こちらはすんなりと受け入れられると思います。

205N・mと聞けば、わざわざkgf・mに換算せずともNA2リッタークラスのトルクだと車に興味のある人の多くは分かるのではないかと思います。

 

ちなみに147kW/205N・mというのはトヨタ 86 ATのスペックです。

f:id:humidasu_1:20200202085806p:plain引用:トヨタ 86 主要諸元表

 

〇〇kWのパワーの相場観をもつ

現状、諸元表のエンジン最高出力には「kW」「PS」が併記してありますし、覚える必要性はないかもしれません。

しかし、YouTubeで海外の動画などを見ると「POWER:〇〇kW」PSの記載なしの表記があったりします。逐一1.36倍して馬力換算するのではなく、国際基準となる「kW」の感覚をできれば少しずつでも養っておきたいところです。

 

〇〇kW表示に慣れるためには、〇〇kW=〇〇PSというのをいくつかのパターン覚えてしまうのが個人的には良さそうです。

感覚的にパワー感が分かる〇〇PSに相当する〇〇kWをおおざっぱで良いのでセットで覚えてしまうのです。

約50kW刻みで、~300kWくらいまでの出力がそれぞれどのくらいの馬力(PS)に相当するか、具体的車種を挙げながら紹介していきます。〇〇kWのパワー感を養っていきましょう。

 

47kW=64馬力(PS)

f:id:humidasu_1:20200201230908j:plain引用:HONDA公式サイト N-BOX 

ターボ付きの軽自動車の馬力規制いっぱいの64PSはkWに換算すると47kWです。具体的車種を挙げるとN-BOXのターボの最高出力が47kWです。

64馬力規制=47kW規制ですね。

50kWというのはだいたいターボ軽+αの出力だと考えればいいと思います。

100kW=136馬力(PS)

f:id:humidasu_1:20200201232501j:plain引用:motor-fan

先代スイフトスポーツ(ZC32S)の最高出力がちょうど100kW(136PS)となります。

【先代スイフトスポーツ(ZC32S) 1,600cc エンジンスペック】
・最高出力:100kW(136PS)/6900rpm
・最大トルク:160N・m(16.3kgf・m)/4400rpm

コンパクトカーとしてはハイスペックな車なので、100kWは一般的なコンパクトカーよりは大きいエンジン出力となります。1,500ccと2,000ccの中間くらいの出力のイメージでしょうか。

※2,000cc車の最高出力(参考)
インプレッサ 2.0L:113kw(154PS)
ノア 2.0L:112kw(152PS)
マツダ3 2.0L(SKYATIV-G):115kW(156PS)

149kW=203馬力(PS)

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マークXの2.5リッターの最高出力が149kWです。

【マークX 2,500cc エンジンスペック】
・最高出力:149kW(203PS)/6,400
・最大出力:243N・m(24.8kgf・m)/4,800

150kwクラスになるとぐんと出力があがりますね。だいたい200馬力といったところでしょうか。

86/BRZもこのクラスです。

200kW=272馬力(PS)

冒頭にも書きましたが、GRヤリスの最高出力が200kWです。

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引用:ベストカーweb

かつてあった280馬力規制の車たちは換算すると206kW規制の車たちとなります。

250kW=340馬力(PS)

f:id:humidasu_1:20200202005947j:plain引用:BMW公式サイト

BMW M240iクーペの3リッター直列6気筒ターボエンジンの最高出力が250kWです。

【M240iクーペ エンジンスペック】
・最高出力:250kW(340PS)/5,500
・最大トルク:500N・m(51.0kgf・m)/1,520-4,500

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引用:トヨタ公式サイト

同じエンジンを積んだスープラRZも250kW(340PS)です。

250kWクラスになるとかなりのハイパワー車です。

以前、同じく250kW(340PS)の先代TT RSに乗ったことがありますが、250kWもあるとアクセルを踏み込むと、上りの急坂でも運転手が後ろにのけぞるような加速をしました。

 

298kW=405馬力(PS)

f:id:humidasu_1:20200202011250j:plain引用:日産公式サイト

スカイライン400Rの3リッターV6ターボエンジンの最高出力は298kW(405PS)です。

【スカイライン400Rエンジンスペック】
・最高出力298kW(405PS)/6400rpm
・最大トルク : 475N・m(48.4kgf・m)/1600-5200rpm

www.youtube.com

こちらの動画にはインフィニティQ50が登場しますが、サムネイルに298kWって記載されていますね。動画中もOUTPUT:298kW/475Nmという表示のみでPSは出てきません。こういうときにkWの相場観があれば役立ちますね。

 まとめ

だいたい最高出力50kW刻みで車種を紹介しました。出力だけで語るのもナンセンスですが、150kW以上あればハイパワーな車と考えても良さそうです。

kWのパワー感は知らなくても困ることはないですが、YouTubeを見ていると海外の動画では最高出力をkWのみで表示しているものもあったりします。そういうときにkWの相場観があれば、内容理解に役立つかもしれませんね。

普段からエンジンスペックをみるときに意識して「〇〇PS」に対応するkWの値を確認する癖をつけていれば、最高出力:〇〇kWという値でもその車がどのくらいパワーを出せるのかが分かるようになるかもしれません。

 

 

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