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【レビュー】カローラスポーツ 1.2ターボに乗った 走るのが気持ちがいい!

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先日、カローラスポーツ1.2Lターボのレンタカーを借りて乗りました。各社強豪がひしめくCセグメントに属するトヨタの車です。結構気になっている車でしたが、ようやく乗ることができたので、いろいろとレビューしたいと思います。

今回はワインディング含めて実際に一日走ってみてのインプレッションについて書きます。走った場所は西伊豆スカイラインがメインです。

車のグレードはG“X”、一番下のベースグレードです。

乗りやすく自然なフィール

偏見は良くないですがトヨタ車には、アクセルを踏んだ時のスロットルの早開きや少しブレーキ踏んだだけでカックンブレーキになるという勝手なイメージがありました。

しかし、カローラスポーツはドライバーの操作に対して自然に反応してくれると感じました。

CVTのネガとしてでよく言われる回転数だけ先に上がってしまう、ラバーバンドフィールは感じませんでした。アクセルの踏み具合に対して車が進もうとする力も自然に感じました。飛び出し感やもっさり感はありませんでした。

アクセルを離せば、エンジンブレーキが程よく効き、ブレーキはやや初期制動が強めなものの、カックンブレーキにはなりづらく、停止したい場所にきれいに止まれます。先代型にあたるオーリスは少しだけ試乗したことがありますが、ものすごい初期制動が強かった記憶があります。

停止状態からの発進では、一瞬ふわっと2000回転くらいまで上がったあとは、1200~1300回転程を維持しながらするすると巡行スピードまで乗っていきます。ターボの恩恵を受けて、極低回転からトルクが出ています。上り坂に差し掛かってもアクセルを少し踏み足せば、欲しいトルクがすぐに出てぐいぐい登ってくれます。

乗り心地に関しては、足は硬くもなく柔らかくもなく、路面の凹凸を程よくいなしてくれていると感じました。ボディ側がそこまで揺さぶられることもなく、また中間グレードGとベースグレードG“X”に標準装備される"スポーティーシート"は適度なホールド性に加えクッションがきいているため、乗り心地も良かったです。

スピードが上がってくると段差などでの動きが大きく、足が少し柔らかいかなと感じる場面もありました。タイヤサイズによって足の味付けが異なるようなので上級グレードG“Z”のタイヤ(ダンロップ SP SPORT MAXX050 225/40R18)を履いていると、印象もまた変わってくるかもしれません。

G“X”のタイヤ(エコピア・195/65R15)のせいもあるかもしれませんが、乗り心地がいい一方で、ステアリングのインフォーメーションは希薄でした。軽々と回り、路面の状況や反力などが全然伝わってきません。

 

1.2ターボは非力なんじゃないの?

ネットでのレビューでは1.2ターボは非力という言葉が見られることがあり、私もそう思っていました。

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予想以上にパワフルで扱いやすい1.2Lターボ

カローラスポーツに載っている1.2Lターボエンジン(8NR-FTS)のスペックは下記の通りです。

最高出力:85kW(116ps)/5200-5600rpm
最大トルク:185Nm (18.9kgm)/1500-4000rpm

116psという馬力は1.5L NA並みです。車重はGXで1310kgあるので、車体に対してこのスペックだと非力なんじゃないかと思っていました。

実際に急坂のある山道含め走行してみて、その不安は払しょくされました。思っていたよりもパワフルですね。

最大トルクが1500-4000rpmという低回転から幅広い範囲で発生するスペック通りで、アクセル踏めば1000回転半ば~2000回転くらいから十分なトルクが出ます。ターボラグも感じずフラットトルクなので回転数の上下も少なく、一般道を普通に走る上でパワー不足は全く感じません。

実際の車重より軽い車を運転している感覚になります。トルクの出方って大事だなと改めて思わされました。

坂道も2000回転前後も回っていればすいすいと登ります。ロードノイズはやや大きいですが、エンジンは終始静かで、箱根新道などの急坂もエンジンが唸ることなく登っていきます。負荷の掛かる上り坂では時折、シューーーープシュンッというターボの音がかすかに聞こえてかっこいいです。笑

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エコ、ノーマル、スポーツの3つのドライブモードが選択できるのでギアをDレンジにして上り坂で試しました。

ノーマルモードでアクセルを大きく踏み込むと、2000半ば~3000回転をつかって加速していき、上り坂でもあっという間に法定速度を飛び超える程の加速性能があります。

スポーツモードにしてアクセルを大きく踏み込むと3000半ば~4000回転をつかって加速します。トルク自体は変わらないはずなので、パワー感はそこまであがらないものの、回転数が高い分引っ張ってくれる力は高まります。アクセルレスポンスも上がっていると思います。

高回転域で非力感が顔を出す

意外にトルクがあり、ぐいぐい登っていくので、マニュアルモードにしてアクセル全開で高回転まで引っ張ってみました。

しかし、4000回転以降になるとエンジン音がうるさくなってきますが、その割にはトルクが出てなく、途端に非力さを感じ始めます。うるさいながらも加速力は高くなりますが、頭打ち感がありました。

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引用元:http://www.motordays.com

まさにエンジン性能図の通りで、4000回転を境にトルクが落ちており、出力は回転数に比例して出ているものの、苦しそうなエンジン音の割にはトルクがないので、高回転まで回す気にはならないエンジンでした。

Dレンジでは、SPORTモードにして結構踏みこんでも4000回転以降にはならないので、最大トルクの出る低中回転で走るのがこの車はいいのかもしれません。

1.2Lターボは低中回転から十分すぎる程のトルクがあり、あなどれないと感じましたが、思い切り踏みこんだときのパンチ力はないので、物足りなさはありました。

マニュアルモードのレスポンスが素早い

マニュアルモードの反応が良かったのには正直驚きました。

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CVTのマニュアルモードなんてただのオモチャじゃないのと思っていました。以前借りたマークX(6AT)のマニュアルモードは操作してからギアが変わるまでのタイムラグが大きい上に、ブリッピングしないため実用的ではないなという感想でした。

カローラスポーツはCVTなので、実際にギアが変わるのではなく疑似的な変速となります。Dレンジから右側に倒すとMモードになります。段数は10速まであり、シフトレバーを手前に引いてシフトダウン、奥に倒してシフトアップとなります。

シフトレバー操作してからのレスポンスが非常に素早く、例えばシフトダウン時はレバーを手前に引いた瞬間に、ブリッピングのように回転数が跳ね上がり、一瞬でシフトダウンします。シフト操作をしてから反映されるまで待つ必要はなく本当に一瞬です。

一気に連続操作してM5⇒M2にシフトダウンする場面でも、ブンッ、ブンッ、ブンッ(音は聞こえません)と、1回1回の操作に遅れなくシフトダウンしてくれ、ラグを感じることはありません。

スポーツモードにすると変速スピードが少し早くなり、演出なのか分かりませんが、軽くシフトショックが出てキレのある変速をし、まるで本当にギアがついているみたいです。(ノーマル、エコではシフトショックはなし)

少し危ないと感じたのは、走行中でもシフトレバーがニュートラルに入るので、マニュアルモードに入っているつもりでシフトアップしようとしたが、実際はDレンジに入っていたのでニュートラルに入り空ぶかしするという場面がありました。マニュアルモードを頻繁に使うのであれば、パドルシフトがほしいところです。

G“X”でもオプションでパドルシフトを装着できるようですが、レンタカーのためありませんでした。

いずれにせよマニュアルモードは反応が非常に素早いので、下り坂でのエンジンブレーキや立ち上がり加速に備えて回転数を上げる目的で十分実用的だと思いました。

ワインディングも気持ちよく走れる

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車体やサスペンションの出来がいいのと、ステアリング特性が素直なことなどいろいろ要因はあると思いますが、コーナリングは気持ちがいいです。ステアリングを切れば、思ったラインをトレースしてくれます。エンジンも軽いので回頭性はいいんじゃないかと思います。ワインディングの下りではひらりひらりと走れます。

また、「ACA:Active Cornering Assist」というのが全車装備されていて、コーナリング中に内輪に制動力を掛けてコーナリングをアシストしているというのも効いているのだと思います。私ごときの感覚ではその効きを体感することはできませんでしたが。

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残念なのはG“X”のエコタイヤ(195/65R15)は舵の反応やグリップが低く、すぐにタイヤが鳴くので気持ちよさをだいぶスポイルしていると感じました。逆に言うとG“Z”の225/40R18であれば相当楽しめるはずです。

CVTはDレンジで走っているとき、アクセルオフするとエンジン回転数が下がるので、コーナーの立ち上がりなど再度アクセルオンしたときにもたつきを感じます。ワインディングを楽しむのならMTの方がいいかなと思います。

また、上述しましたが、立ち上がりの加速時などにアクセルを踏むと、かすかにシューーープシュンッとターボの音が聞こえるのがやっぱりかっこいい。こういう官能的な部分は大事です。

 

選ぶならG“Z” 

グレードはG“X”⇒G⇒G“Z”の順で上級になりますが、もし選ぶのならG“Z”かなと思いました。別記事で書きますがグレード間での内装の格差とタイヤの違いが大きいです。

f:id:humidasu_1:20190813235119j:plain引用元:くるまのニュース

G“Z”の18インチホイールはリム幅が8インチと純正にしては太いです。それに225幅のタイヤが組み合わされ、純正状態でツメ折り加工されたフェンダーの外側いっぱいまで張り出していて、ツライチ状態になっています。

G“X”の195/65R15はタイヤが内側に引っ込んでいて、せっかくツメ折りまでされたフェンダーがもったいないです。

 また、G“Z”ではオプションで「AVS:Adaptive Variable Suspension system」が選べます。路面状況や運転操作などに応じ、ショックアブソーバーの減衰力を4輪独立してソフトにしたりハードにしたりきめ細かく制御できるようです。

あまり見かけることのないカローラスポーツですが、見掛けたときは18インチを履いている個体が多いので、G“Z”が売れているのかなと思います。

G“X”とGとの価格差もそんなに大きくないので、とりあえずG“X”はなしだと思いました。

ポテンシャルを秘めている気がする 

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ライバルが強力なCセグメントの中では、これといって突出した点がなくパワートレインも控え目ですが、走らせてみると気持ちよく全体的に良い車だと感じました。車自体が秘めているポテンシャルは相当に大きいのではないでしょうか。もし1.6LターボのGRバージョンが出たら絶対楽しいだろうなと思いました。

また、購入するわけではないですが、MTを設定してくれたトヨタには感謝です。

 ちなみに燃費は280km程走って、満タン法で計算したところ12.9km/lでした。前に進まない渋滞や休憩中の長時間のアイドリング、山道でアクセル踏み込んだことなど悪条件が重なってはいましたが、思ったよりも伸びませんでした。

 

 カローラスポーツの外装について 

 カローラスポーツの内装について

 

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