最近レガシィのアクセルレスポンスや走行時のフィールが悪く、もしかしたらエンジンマウントの劣化も影響しているかもと思い、自分で交換作業ができそうなエンジンマウントの一種?であるピッチングストッパーを交換することにしました。
前回、純正品からSTIピッチングストッパーに交換する作業手順について書きました。
⇒BLレガシィ ピッチングストッパーを交換した (作業編)
そこまで期待はしていなかったものの、予想を遥かに上回る効果がありました
※12/23追記
結局ショックアブソーバーの減衰力不足という根本的問題が解決されていなかったので、 一時的にしか効果がありませんでした。誤解を招くような内容になっているかもしれませんので、鵜呑みにはしないで下さい。
新旧ピッチングストッパー
前記事と重複しますが、新旧のピッチングストッパーについて載せておきます。
上がSTI、下が古い純正品です。古い方は思っていたよりきれいですが、ブッシュの割れや亀裂が見られます。樹脂ロッドの劣化はないように感じます。
ブッシュ部を動かしてみると、古い方もある程度硬いのですが、STIの新品と比べると多少のぐらつきがあります。
劣化具合の参考にしてもらえればと思います。
純正品とSTI品の違いはブッシュのみと思われます。ロッドの部分はどちらもPA66-GF50という樹脂素材になっています。
ピッチングストッパー交換後、いろんな面で想像以上によくなった!
はっきり言ってピッチングストッパー交換の効果は絶大です。シフトフィールが良くなるくらいかなと思っていましたが、それだけでは済みません。車を動かしてすぐに激変しているのが分かるというわけではないですが、走っているうちにいろんな面で効果が出ていることをじんわりと感じています。
こちらの記事に書いた不満点の多くが解消されました。
⇒⇒BLレガシィ 最近どうもアクセルレスポンスが悪い
まずは交換後にエンジン始動した際に、車内に聞こえるセルの音が大きくなりました。へたったブッシュから強化ブッシュに変わったことでエンジンとボディの締結が強まったことで、車内へ伝わる音が大きくなったのでしょうか。
シフトの繋がりがよくなった
街中を試走すると、まず気付くのはMTのシフトの繋がりの良さでした。
これまでは、1速⇒2速⇒3速と上げていく際の変速ショック(ピッチングのような動き)が大きかったです。変速して次のギアにつながるまでに間があり、変速後にアクセル踏んでからの加速時にもたつきがありました。ショックがへたった時のイメージに近いです。
車の動きが大きい上に全てがワンテンポ遅れるような感じがあり、いちいち気持ちよくなかったのですが、全て改善されました。
シフトレバーを次のギアに入れれば、スムーズに繋がり、アクセルを踏めば、遅れなくトルクが立ち上がります。
上記症状はショックアブソーバーの減衰力低下に起因していると思っていましたが、どうやらエンジンが前後にゆさゆさ揺れることが原因だったっぽいですね。
そしてシフトフィールが良くなっていることにも気付きました。コクリコクリと入るようになります。
アクセルON,OFFの反応が自然になった
次に感じたのはアクセルON,OFFの反応が自然になったことです。
ここ最近は、例えば混雑している道で20km/hくらいで走るような低速走行時の速度コントロールが難しく、アクセルをわずかに踏み足しても車がほとんど反応しないのですが、もう少し踏み足すと、急にどっと進むような挙動があり、非常にぎくしゃくしがちでした。
それが、アクセル踏み量に対してリニアに車が反応してくれるようになり、運転しやすくなりました。
また、アクセルOFF時のエンジンブレーキの効き方が自然になりました。これまではアクセルをOFFにしてから1秒ほどのラグがあった後にエンジンブレーキが効き始めていたところを、0.5秒くらいのラグに減ったイメージです。電スロの影響でアクセルOFFにしてもすぐにスロットルが閉じないので、多少のラグが残るのは仕方ないですね。
また、アクセルOFFにしてからのエンジンブレーキの減速度も自然になりました。言葉で表現するのは難しいですが、回転が下がっていくときのエンジン音が滑らかではなく「アクセルOFF⇒ぐわん、ぐわん、ぐわん、ぐわわわわわーん」という、ふわふわした感じの減速の仕方だったのが、「アクセルOFF⇒ぐわわわわわーん」という具合に一定した減速度になった感じです。(意味不明ですね)
加速時のもたつきがなくなった
上述していますが、0発進時の加速のもたつきがなくなりました。
停止状態から巡航速度まで加速するようなときに、クラッチミートしてからアクセル踏んだ時に車が重たいような鈍さがあったのですが、嘘のようにスムーズに加速するようになりました。低速トルクが細いEJ20なので、もたつくのは仕方ないと思っていましたが、案外トルクがあるなと見直しました。
この加速時のもたつきは坂道発進時が顕著で、クラッチミート後、一瞬車が前に進まない溜めみたいなのがあり、間をおいてから急にグッーと進むのでぎくしゃくしていました。
エンジンの汚れが原因でレスポンスが悪くなっているのだと思っていて、色々リフレッシュさせようとしていましたが、ピッチングストッパー交換で見事に解決しました。
アクセルのつきが良くなり、クラッチミートしやすくなった
微細な踏み量に対してのアクセルのつきや反応が良くなったため、クラッチミートがしやすくなりました。
ピッチングストッパー交換前は、一時停止からの発進やバック駐車時などアクセルを少しだけ吹かして車を動かす状況でアクセル踏み量に対してエンジン回転が思ったように上がってくれませんでした。
そのため、回転が足りずにエンストしそうになったり、逆に無駄に吹かしてしまうことがありました。しかし、交換後は欲しい分だけエンジン回転数を上げられるようになり、クラッチミートがしやすくなりました。
これによって信号待ちからの発進も非常にやりやすくなりました。これまでは、「ブンッ、ブーーーンッ、ブウーーーンッ、ブゥーーン」という感じでクラッチミート時に無駄に吹かしていたのですが、交換後は、「ブブブブ、ブーーーンッ、ブーーーンッ、ブーーーン」という感じ。要はクラッチミート時に必要最小限だけ回転を上げることが容易になり、シフトの繋がりも良くなったのです。
そしてアクセルのつきがよくなったことでシフトダウン時のブリッピング(回転合わせ)が格段にやりやすくなりました。少し前ぐらいからアクセルの踏み量に対しての吹け上がりが鈍くてブリッピングが上手く決まらなくなり、フラストレーションが溜まっていましたが、これも気持ちよく決まるようになりました。
コーナリングで頭の入りがよくなった
ちょっとしたカーブでもノーズの入りがよくなった気がします。
最初はプラシーボ効果かと思いましたが、明らかに同じ舵角でも曲がりやすくなりました。車体中心から離れた位置にある重量物のエンジンが遠心力で無駄に動くことなくしっかり固定されるようになったので、コーナリングが良くなっても不思議ではないですね。
ステアリングフィールが良くなった
ふにゃふにゃしたステアリングフィールでセンター付近の反応が曖昧だったのですが、微細なステアリング操作に対しての手ごたえが増し、車がしっかり反応してくれるようになりました。
路面からのインフォーメーションもわずかに増えた気がしています。ステアリングのしっかり感はかなり向上しました。特にセンター付近の手ごたえ・重みが増したのが分かります。
また、走行時の修正舵も減りました。凹凸やうねった道では、ふにゃふにゃのステアフィールや動きによって常に真っすぐ走るように修正が必要でしたが、真っすぐ走るようになりました。
乗り心地・操縦性が良くなった
ここ最近のレガシィの乗り心地は、ふにゃふにゃする割には路面からの突き上げがあり、新品交換してから6,000km程使用のショックアブソーバーの減衰力が弱ってきているのかと思っていました。
特にピッチング(船のように前後にゆらゆらするイメージ)が大きかったのですが、その動きがなくなり、まるで減衰力が上がったかのように感じています。もともと固めの足なので突き上げ自体は変わりませんが、締まった足になりました。
でも、足のハードさが強調された割には乗り心地は良くなりました。踏切を通過するときのあの揺れが少なくなった気がします。
また、ブレーキを踏んだ時のノーズダイブも減り、相対的にブレーキのかっちり感が高まりました。
ピッチングストッパー交換の効果は一言でいうと、まるでショックの減衰力が高まり足が締まったような感じがあります。特に車のピッチングの動きが減ったように感じます。ピッチングストッパーのブッシュのへたりにより、レガシィでは前輪より前に位置する重いエンジンの前後方向の揺れを抑えられないことで、車自体のピッチングを増長させていたということなのでしょうか。
経年車・過走行車のブッシュ交換は超オススメ!
いろいろ書き過ぎていて信憑性に欠けそうですが、本当にこれだけ変わったのです。
ただ、勘違いしてほしくないのは、性能が向上したのではなく、元に戻ったということですね。「普通」⇒「非常に良い」ではなく、「非常に悪い」⇒「普通~良い」ですね。
17万km走っていて、(前オーナーの交換履歴は知らないですが)おそらく一度もピッチングストッパー交換をしていないとこれ程悪くなるということです。
今回の変化はピッチングストッパー交換によるものですが、劣化していたのはブッシュ部だけなので、実質ブッシュを新品(強化品)に交換したのと同義と言えると思います。
へたったブッシュがここまで悪影響をもたらすという考えがなく、ふにゃふにゃしたステアリングフィールや加速時のもたつき、変速時の車の揺れ等はショックアブソーバーの減衰力不足やタイヤの空気圧不足から来てるものと思っていたのですが、ブッシュ交換でまさかここまで良くなるとは思っていませんでした。
ピッチングストッパー交換作業前後には、空気圧の調整含め何もしていないので、確かにピッチングストッパー(ブッシュ)交換単体での効果です。
「経年車はブッシュ類を交換すると新車の乗り心地が回復する」なんてのはよく聞きますが、大げさでしょと思っていましたが、ブッシュを新品交換することの効果を身をもって実感できました。
重量物のエンジンがしっかり固定できていないと、遠心力や路面からの入力によって動くし、アクセル踏むことによっても動くので、エンジンをマウントするブッシュがへたるとあらゆる状況において悪影響が出るということも分かりました。
ちなみに、STIのピッチングストッパーには下記注意書きがありますが、今のところセルモーター以外の音が大きくなった実感はないです。
※本製品を装着すると、車体振動および騒音が大きくなります。
引用元:スバルテクニカインターナショナル㈱公式サイト
長くなりましたが、スバルの過走行車に乗っている人にピッチングストッパーの交換は超オススメです。BL/BPレガシィ ターボの場合、部品代は3,500円程で、工賃はディーラーに頼んでも10,000円程です。NAだとインタークーラーがない分、工賃はもっと安いと思います。
ピッチングストッパー交換の効果がてきめんだったので、近いうちにステアリングラックマウントブッシュやエンジンマウントのブッシュも交換しようと決意しました。
⇒DIYでBLレガシィのミッションマウントを交換してみた(純正⇒STI)
※追記
ピッチングストッパー交換してから1週間後に様子が変わってしまいました・・・
⇒⇒ピッチングストッパー交換後の運転フィール大幅向上の効果がなくなってしまった!