私が車を保管しているのは砂利の駐車場です。オイル交換やタイヤ交換など整備をしたいと思ったときに車をジャッキアップする必要がありますが、駐車場の地盤が砂利であることがネックになります。
それでもジャッキアップができないと整備の幅が狭まるので、道具や環境を整えながら、少し危険な思いもしながら砂利の地盤でジャッキアップをしてきました。
今回は砂利の駐車場でフロアジャッキ(ガレージジャッキ)を使ってジャッキアップする方法や注意点について紹介します。
一口に砂利といっても、砂利の大きさや地盤の硬さ、凹凸具合など、いろんな駐車場があると思いますが、何かしらの参考になれば幸いです。
砂利の駐車場の状態
私が車をとめている砂利の駐車場です。(少し昔の状態です)
遠目で見れば平らな駐車場ですが、近くで見ると凸凹や部分的に傾斜があります。地盤はそこそこ硬めで雨が降ってもびちゃびちゃにぬかるんだりはしません。大き目の小石が転がっている部分もあります。
↑タイヤ位置の高さが左右で異なるのが分かると思います。
このように駐車場が凸凹や斜めになっていると、ジャッキアップはやりづらいですし、危険をはらみます。
なので、駐車場が凸凹していたり、傾斜があったりする場合は、まずはジャッキアップをする前に駐車場の状態を多少整えた方がいいです。
砕石を敷いてある程度地面を平らにする
私は砕石を敷いて部分的に地面を平らにしました。駐車場全体を平らにしようとすると費用が掛かると思いますが、ジャッキアップの障害を取り除く程度に部分的に平らにするのであれば、砕石は安いですしそこまでの費用は必要ないです。
砕石とはこういうものです。路盤材ともいうようです。大小様々な角ばった小石が入っていて、敷いた後に転圧すれば互いに噛み合うことで強固な地盤ができあがります。ホームセンターによっては20kg 200円弱で手に入ります。
少なくとも左右両輪が位置する地面の高さを合わせることと、フロアジャッキが通る部分の地面は平らにしておいた方がいいです。
実際には上の写真よりもっと広範囲に敷いていますが、このような感じで部分的に砕石を敷きました。特別な道具は使わなくても足踏みや車の重さを活用して転圧できますし、ウマを置いて車を支えても沈まないほど強固な地盤になります。 詳しくはこちら↓の記事に書いています。
フロアジャッキを使ってジャッキアップする
フロアジャッキの下に鋼板を敷く
フロアジャッキには車輪がついていて、ジャッキアップするにつれて車輪が動くようになっていますが、車輪が小さいため砂利によっては抵抗に勝てず車輪が進まないことがあります。
後述しますが、ジャッキアップ中にジャッキの車輪が進まないのはかなり危険なので、車輪がスムーズに動けるようにフロアジャッキの下に鋼板(鉄板)を敷いて使用しています。
平らできれいに整地されていて、ジャッキの車輪が問題なく進む砂利の駐車場もありますが、車の荷重が掛かるにつれてジャッキの車輪が地面にめり込んでいくことがあるので、やはり鋼板は敷いた方がいいと思います。
砂利ではなくアスファルトでも凹凸によってジャッキの車輪が進まない場合は鋼板を敷いた方がいいです。
私は縦600mm、横300mm、厚み3.2mmと4.5mmの鋼板を2枚使用しています。本当はもっと面積の大きい鋼板を使用した方がフロアジャッキを自由に動かせてやりやすいですが、最初に小さい鋼板を一枚買ってしまい、面積が足りなくて同じ面積のものを追加購入したので、このように2枚を組み合わせて使っています。鋼板は一枚1,000円程だったと記憶しています。
鋼板の厚みは3.2mmでもこれまでに荷重で凹んだり反ったりしたことはないですが、4.5mmあった方が安心かとは思います。
今考えると、900×450×3.2or4.5のサイズが値段と大きさ、重量のバランスがあった鋼板だと思っています。ホームセンターに3.2mm厚が2,000円、4.5mm厚が2,800円で売っていました。重量は3.2mm厚で10.2kgです。
↓鋼板はネットでも販売されています。
このようにジャッキアップする際には、フロアジャッキが鋼板上を動くようにしています。
ジャッキアップすると、フロアジャッキの車輪が少しずつ前進していくので、ジャッキアップ中に車輪が鋼板から落ちてしまわないよう鋼板の面積はジャッキ進行方向に少しゆとりが必要です。
車輪幅に対して鋼板の幅がぎりぎりなので、大きい鋼板に買い替えるか悩み中・・
車のジャッキポイント位置とフロアジャッキが動く範囲を考慮した位置に鋼板を敷きます。鋼板の面積が小さいとここでの微調整に時間が掛かります。
鋼板の上にジャッキをセットしてジャッキアップしていきますが、鋼板下の地面が平らでないと矢印部分のように車輪が浮いてしまうことがあります。(これは2枚の鋼板を使用していることも原因ではあります)
ジャッキアップしている内に荷重が掛かり車輪が接地することもありますが、フロアジャッキの下の地面が斜めになっていて車輪が浮いている状態だと、ジャッキアップしていったときにジャッキが車体ごと横に流れてしまうことがあり、大変危険なので絶対に止めたほうがいいです。
上の写真ではフロアジャッキ下の地面が若干右寄りに傾いているのですが、ジャッキアップするにつれてジャッキが右寄りに動いてしまっています。
なので上述しましたが、ジャッキを設置する場所の地面が凸凹していたり斜めになっていたりする場合は、少し掘り起こして砕石を敷くなどして平滑にしておく必要があります。
フロアジャッキの車輪が前進しているか確認
ここはかなり大事なことですが、ジャッキアップしていくにつれて、フロアジャッキの車輪が前に進んでいっているかどうかを必ず確認しながらジャッキのレバーを上下させていきます。
最初は車輪はほとんど動かないですが、ある程度持ち上がってくると車輪は少しずつ動きます。
できれば、レバーの上下一回ごとに車輪がちゃんと動いているかを目視で確認した方がいいと思います。
理由は後述しますが、フロアジャッキで車を持ちあげるときは、通常フロアジャッキ自体が前に進むようになっています。(例外あり)
車輪が動いていないのにジャッキアップを続けるとジャッキポイントからジャッキが外れて車が落ちる可能性があります。
写真で見比べてみると分かると思いますが、フロアジャッキの皿(車両のジャッキポイントと接する部分)はアーム根本を支点として弧を描くようにして動きます。よってフロアジャッキは物体を垂直に持ち上げるのではなく、少しずつ手前に引き寄せるようにして持ち上げることになります。
ただ、通常ジャッキアップするときはサイドブレーキや輪留めを掛けて車両が動かないようにしてから行うので、車両を手前に引き寄せながらジャッキアップするのではなく、逆にフロアジャッキが車両の奥に潜りこむように進んでいきます。
フロアジャッキに付いている車輪は移動のしやすさのためだけでなく、ジャッキアップするにつれて前後に移動する皿の位置をジャッキ自体を動かして補正する役割もあります。
そのため、砂利の上で直にフロアジャッキを使用して、小石や凹凸に阻まれて車輪が動けない場合にそのままジャッキアップを続けると、ジャッキの皿と車両のジャッキポイントの接する面が少しずつずれていき、最終的には外れてしまい、最悪の場合車両が落ちます。
私は以前、ジャッキの車輪が止まっている状態でジャッキアップし続け、バンッという衝撃と共にジャッキが外れてしまったことがあります。幸いにも別のところに引っ掛かり車両が落ちるまでには至りませんでいたが、血の気が引きました。
下手くそな図ですが、サイドブレーキを掛けて且つジャッキの車輪が動かない状態だと、ジャッキは斜め方向に持ち上げようとしますが、車は垂直方向にしか持ち上がらないので、持ち上げるにつれてジャッキの皿と車のジャッキポイントがずれていくのが分かると思います。図のような状態になるととてもまずいです。
ジャッキの車輪が動かない場合に車のサイドブレーキを解除して車の方を動かすという方法もありますが、ブレーキがフリーの状態で車を持ち上げるというのは怖いので私はやりません。
サイドブレーキ解除状態でジャッキアップすると少しずつ車のタイヤが前(フロアジャッキ方向)に進んでいきますが、ブレーキが掛かっていない状態なのでタイヤが傾斜や凹みなどで大きく動いてしまう可能性もあります。ジャッキアップによって角度がついているのでなおさらです。
MT車に乗っていると分かると思いますが、停車中にブレーキを離した拍子にちょっとした道路の凹みや傾斜でタイヤが動いてしまうことがあると思います。
まとめると、ジャッキアップ時に
【サイドブレーキ、輪留めを掛けているとき】・・・フロアジャッキの車輪が奥に進んでいるかを確認する
【ジャッキの車輪が動かずサイドブレーキ、輪留めを掛けないとき】・・・車のタイヤが手前(ジャッキ方向)に動いているかを確認する
いずれの場合も車輪、タイヤが動かない場合はジャッキアップできる環境ではないので中止した方がいいです。
フロアジャッキの後輪が真っすぐ向いているか確認
フロアジャッキの前輪は進行方向に固定されていますが、後輪は自由に向きを変えられるようになっています。しかし、ジャッキアップ中に後輪が横を向いてしまっていると前輪の動きを阻害してジャッキが前進できなくなってしまいます。
ジャッキアップ前にジャッキの位置を微調整している内に、後輪がそっぽを向いてしまうことがあるので、進行方向を向いているか確認しましょう。少し斜めを向いているくらいだと前進している内に真っすぐ向きますが、真横を向いている場合は直した方がいいです。
ただ、実際は後輪が真横を向いていても、前輪が進むにつれて後輪も真っすぐに向きを変えることもあります。でも、念のため後輪の向きにも注意しておいた方がいいです。
ジャッキアップしたらウマをかける
車を必要な高さまであげたらウマ(リジッドラック)を掛けます。
フロアジャッキはあくまでも車を持ち上げるだけで、その状態を保持しておくのは物理的に支えるウマの仕事になります。間違ってもフロアジャッキで持ち上げた状態だけで車の下に潜るようなことはしてはいけません。
車の下に潜るような作業を伴う場合は、ウマだけではなく、外したタイヤ+コンクリートブロックを間に挟んだりして、万が一ウマが倒れてもつぶされないよう保険をかけておくべきです。
できればウマの下にも地面にめり込んだりしないように鋼板を敷いた方がいいと思います。
まとめ
砂利でフロアジャッキを使ってジャッキアップするときの注意点などについて紹介しました。といっても平滑で強固な場所でジャッキアップするのが基本中の基本だと思うので、ここまで書いておきながらですが、砂利の駐車場でジャッキアップするのはおすすめはできないです。
フロアジャッキは便利ですが、危険がたくさん潜んでいるので、もし砂利の地面(に限らずですが)でジャッキアップする場合は慎重すぎる程、慎重に作業した方がいいです。やる場合は自己責任でお願いします。