レオパレスと言えば「壁が薄い」。
いや、もはや「壁が薄い」と言えばレオパレスと連想されるくらい、防音性の低さで有名かと思います。
そんなレオパレス(レオネクストシリーズの物件)に私は約6年間住んでいました。
今回は、レオパレスに実際に住んでみて、騒音、住みやすさ、引っ越した理由、退去時の費用などについて書きたいと思います。
数ある中の一つの物件に住んだだけなので、全てのレオパレス物件がこうだというわけではないことをご了承ください。
結論を先にいうと、「そんなに悪くなかった」です。
だから6年間も住んでいたわけですね。
- 住んでいたのは「レオネクストシリーズ」の物件
- なぜレオパレスを選んだのか?
- 壁は薄いのか?防音性について
- 建物のつくりに手抜きは感じる
- インターネットの速度について
- レオパレスから引っ越した理由
- 退去時の費用について
- 退去時の立会いについて
- レオパレスの良いところ
- レオパレスの悪いところ
- まとめ
住んでいたのは「レオネクストシリーズ」の物件
私が住んでいたレオパレスは「レオネクストシリーズ」の物件。
「レオネクスト〇〇」のように物件名の頭にレオネクストが付きます。
レオネクストは比較的新しい物件とは聞いていますが、下記ページから確認する限り、2009年~2017年に建てられた物件のようです。
レオネクストの賃貸マンション・アパート一覧 | 【レオパレス21】
従来のレオパレスと具体的に何が違うのか、詳細の情報が見つかりませんでしたが、レオパレスのHPには下記の紹介がされています。
心をも満たしてくれる住空間の提供を目指す「LEONEXT」。
アパートに求められるクオリティをより進化させた次世代型のシリーズです。性能・デザイン・居住性のすべてにおいて、高品質・高付加価値を実現しました。出典:レオパレス
曖昧でよく分かりませんが、何かがすごいのでしょう(笑)
2014年築の2階建て木造物件の1階・角部屋に住んでいました。
間取りは12帖程と広めのワンルーム。
そして前提として割と重要ポイントかと思いますが、「高遮音界壁」、「遮音フローリング」が設備に含まれ、「高遮音の物件」と謳っている物件でした。
このようにレオパレスの物件ページの設備・特徴の欄に、「高遮音界壁」、「遮音フローリング」と記載してあります。
レオパレスが「ノンサウンドシステム」と称する防音システムが導入された物件になると思います。
なぜレオパレスを選んだのか?
細かいことは省きますが、会社から用意された物件がレオパレスだったので、仕方なく住むことになりました。
もともとレオパレスの悪評は聞いていて、真偽は不明ですが、隣の人がティッシュを抜き取る音すら聞こえるのだとか。
私が物件選びをするときに「防音性」はかなり重視する項目で、以前は鉄筋コンクリートのマンションに住んでいたので、自発的にレオパレスを選ぶことなど考えられませんでした。
用意されたレオパレスは、住むことを強制されていたわけではなかったので、壁が薄くて生活音が丸聞こえだったら、費用払ってでも速攻で引っ越そうくらいの気持ちでいました。
壁は薄いのか?防音性について
気になる人が多いであろうレオパレスの壁の薄さ・防音についてですが・・・、私の住んでいた物件に関しては、
「隣の部屋との間の壁は薄くない、遮音性は割と高かった」
だが、
「足音・物音などの建物の躯体を伝わる音は普通に聞こえる」です。
それって、静かなのかうるさいのかどっち?となると思いますので、もう少し詳しく説明します。
出典:レオパレス
高遮音界壁は↑のような構造をしています。
空気を伝わる音はちゃんと遮断してくれる
- 話し声
- テレビの音
- 隣の部屋のチャイムの音
- 目覚まし等のアラーム
↑のような空気を伝わってくる音はしっかり遮ってくれます。6年間住んでいて聞こえてきたことがないです。
隣の部屋との境の壁を(隣がいないときに)叩いてみると、しっかり詰まってるなという感じでした。
空洞を感じさせない重みのある感触で、高遮音界壁は嘘ではないなと思いました。
ただ、上階・隣人がたまたま静かだった可能性もありえます。
YouTubeやネットの情報で、高遮音界壁の物件でも普通に話し声が聞こえるという話を聞いたりもするので、正直確証はないです。
足音・物音はそこそこ聞こえてくる
壁や床、天井などの建物の構造物を伝播してくる音は結構響きます。
- 足音や扉を閉める音
- フローリングにコロコロを掛けている音?
- DIYか何かでコンコンと打ち付けているような音
- ベランダのドアを「シャーーードンッ!」と勢いよく開け閉めする音
こういうのははっきりと聞こえてきます。
上階が深夜に友人を連れてきていると思われるときでも、話し声は全く聞こえないのですが、足音はそれなりに響くので、眠れずかなりのストレスになります。
こういう振動要素が強めな音は耳栓をしても効果が薄いので、深夜に聞こえてくるとかなり辛いですし、腹が立ちますね。
聞こえる音・聞こえなかった音
具体的にどういう音が聞こえて、どういう音が聞こえなかったか書いてみます。
音の発生源によって響き具合は違いますが、上階の部屋>>>隣の部屋くらい上階からの音の方が響きやすいです。
遮音性は高いが振動には弱い
まとめると、
「高遮音界壁、遮音フローリングの物件では、話し声、テレビの音などは聞こえなかった。ただし、足音、物音などの建物の躯体を伝播する音はある程度聞こえる」です。
高遮音材を使っていても木造住宅である以上、振動を伝えやすいのは仕方ないのかもしれません。
音が聞こえづらいので、防音性が高いと勘違いしやすいのですが、物を伝う音は想像以上に周辺の部屋に響くので、歩き方、ドアの開け閉め、フローリングに物を置くときなどは注意が必要だと実感しました。
遮音性が高いといっても、スピーカーなどのオーディオ機器で低音をズンズン鳴らすと、間違いなく周辺の部屋に振動が伝わるので、大音量で聞くのは控えた方が良いと思います。
実際にオーディオの音が響いて迷惑しているという注意喚起文が全戸に投函されていたことがありました。
とにかく振動要素のある音は周辺に響きます。
これはレオパレスだけでなく、集合住宅に住む人が共通して気を付けるべきことなのかなと思います。
音は遮断するけど振動は伝えるというのは、建物の外からの音に対しても当てはまります。
以前、マフラーを変えていて排気音が大きそうな車が、私の部屋の玄関ドアの目の前にマフラーをこちらに向けて駐車していたことがありました。
その車がエンジンを掛けると、マフラーからして想定される「ブオーン」と言う排気音は全く入ってこないのですが、振動だけ通して部屋が「ビリビリビリビリ」と微振動するので最初は地震かと思ったくらいです。
建物のつくりに手抜きは感じる
レオパレスといえば、少し前に天井裏の界壁施工不備で問題となっていました。
私の住んでいた物件は対象外との通知が来ていましたが、こういうコストカットのための不正が発覚すると、他にもいろいろとあるのでは?と勘繰ってしまいます。
実際に私が住んでいたレオパレスの物件も、素人目でも分かるくらい建物のつくり(内装)は雑だと感じる部分がありました。
こちらはトイレの横についている手すりです。
座るとき・立ち上がるときに手で掴む補助器具だと思いますが、入居当初(ほぼ新築物件)からネジがゆるゆるでぐらついていて、軽く引っ張っただけで壁から抜けてしまいそうな状態でした。
この手すりが必要な人にとっては、ある程度体重を掛けるものだと思うので、本当に危険だと思います。
こちらは洗面台の照明。
間接照明になっていて、表からは見えない位置にあるのですが、配線の処理が雑です。
壁に開けられた穴や垂れ下がった壁紙に適当さを感じます。虫の住処にもなりそう。
覗き込まない限りは見えない部分なので、もしかしたらこれが普通なのかもしれませんが、もうちょっと綺麗に処理できないのかなとは思います。
こちらは洗濯機の上にある備え付けの棚。
面積が広くて便利なのですが、たいして重たいものを載せたわけではないにも関わらず、棚の中央が凹んでずり下がってきました。
これはレオパレスに連絡したら業者さんが来て、矢印の補強を装着してくれました。
パッと見は綺麗で、設備も整っているのですが、ところどころに明らかな手抜きや設計不良のようなものがあるので、全体の印象が悪くなります。
インターネットの速度について
レオパレスはインターネット回線が遅いという話も聞きますが、私が住んでいた物件は、特に遅いと感じたことはありません。
建物までは光ケーブルが来ていて、各部屋にはLANケーブルで引っ張っている「LAN配線方式」と思われますが、夕方や夜の時間帯でも70~99Mbps程出ていたので、Web閲覧・動画視聴などをしても、遅くてストレスになったことはありません。
ただ、回線速度に関しては物件によってバラバラかと思います。同じ物件にかなりの大容量通信ユーザーがいたら遅くなるのではないかと思います。
回線速度はWi-Fiルーターやケーブルが古いことでも遅くなってしまうので、回線速度が遅いときはそういうところを見直してみるのもいいかもしれません。
私もWi-Fiルーターを新しくしたら(これ↓)回線速度が向上しました。
インターネット利用料は月額1,700円程となかなかリーズナブルでした。
レオパレスから引っ越した理由
6年間住んでいたレオパレスから引っ越した理由は、上階と隣の足音・物音がうるさかったからです。
6年間ずっと我慢していたのかと言うと、そうではなくて、ほとんどの期間は静かでした。期待をいい意味で裏切られる程の遮音性だったのですが、木造のため、足音や物音が全くしないのを求めるのは無理がありますね・・・。
隣のことは分かりませんが、上階には何回か入れ替わりながらも人が住んでいました。
帰宅時に足音が少し聞こえるくらいで、基本的には、いるかいないのか分からないくらい静かでした。
深夜の2~3時に部屋をドタバタと歩き回るうるさい人もいましたが、管理会社を通して何回か注意してもらったら、引っ越したのかパッタリと静かになりました。
ただ、引っ越しの半年~1年前くらいに隣と上階に新しい人が入居しましたが、足音や物音がややうるさめで・・・。
木造アパートなので生活音として仕方ないと思いますが、どうしても気になってしまって、家にいるのが苦痛になるくらいになったので、引っ越しを決意しました。
一度敏感になってしまうと、次いつ音がなるか?と身構えてしまって、家にいるのにリラックスできなくなってしまうんですよね。
それまでは、家賃が高いこと以外にこれといった不満はなかったです。
ちなみに、SONYのワイヤレスヘッドホンWH-1000XM4のノイズキャンセリング機能を使えば、足音も聞こえなくなるみたいですね。
本当なのか疑問なのですが、 Amazonレビューやブログでもそういう意見がいくつかあるので、引っ越し前は本気で購入を検討していました。
退去時の費用について
引っ越し時に怖いのが退去費用をいくら取られるか・・・
引っ越し自体にものすごくお金が掛かるので、退去に掛かる費用は最小限に抑えたいところです。
それで、6年住んだレオパレスの退去費用がいくらだったかというと、0円でした。ある程度は覚悟していたので嬉しかったですね。
レオパレスでは退室時に以下のような費用が発生します。
- 基本清掃代
- 原状回復費
- 違約金
基本清掃代は部屋の間取りによって変わり、私の場合3万円程になりますが、長期入居者の特典として、4年以上住んでいる場合は免除となります。
違約金は賃貸契約後1年以内の解約だと発生します。
私は前回の更新時から1年以内の退去となるので違約金が発生するんじゃないかと心配していましたが、レオパレスに問い合わせたところ、最初の契約から1年以内の解約でないなら違約金は発生しないようです。
問題は原状回復費です。壁紙に↑このようなシミや、壁に物をぶつけたときに1cm四方の凹みを作ってしまっていました。
壁紙などの価値は6年間で1円になるらしいので、シミの件は請求されても反論しようと思っていましたが、凹みの方は多少掛かるだろうなと思っていました。
ですが、結果的には1円も掛からなかったのでラッキーでした。
入居時に1ヶ月分の敷金を払っていましたが、日割りの家賃を差し引いた全額返ってきました。
私は6年間住んでいたので、退去費用に関して今回のケースが全ての人に当てはまるとは思いませんが、レオパレスは界壁問題などもあり悪評が立っているので、下手に退去費用をぼったくるようなことはしないんじゃないかと思います。
退去時の立会いについて
退去時の立会いで来られた方は、レオパレスの社員ではなく、日本タクトという会社の人でした。
時間的には部屋の確認(5分)+書類作成(5分)くらいで、本当にざっくりとしたチェックです。
結構頑張って部屋を綺麗にしておいたのですが、そこまでする必要はなかったんじゃないかとすら思いました。
レオパレスの良いところ
最後に、レオパレスに住んで感じた良いところ、悪いところを書きます。
仲介手数料が不要、更新料も安め
レオパレスは賃貸契約するときに仲介手数料が掛かりません。
一般的に賃貸を契約するときは、不動産屋に仲介手数料を支払う必要があります。
借主の承諾がない限り、借主に請求できるのは家賃の0.5か月分が上限という決まりはあるらしいですが、実際は1か月分+消費税で請求する不動産屋が多いと思います。
私も引っ越し時には1か月分+消費税をきっちりとられました。
家賃1ヶ月分というのは結構な金額なので、初期費用を抑えられる利点は大きいですね。
また、2年に1度の契約更新料も安めです。
一般的な賃貸は更新料が家賃1ヶ月分というところが多いと思いますが、レオパレスは16,500円(税込)です。
家具家電が付いている
家具家電を一通り揃えるとかなりの出費になるので、最初から付いているのは非常にありがたいです。
家具は上述の通り、一部クオリティの低いものも混ざっていますが、レオパレスに連絡すれば直してもらえるのでそこまで問題はないかと思います。
家電は機能の少ない安いグレードかとは思いますが、SHARPなどの一流メーカー品で揃えてありました。
設備が充実している
家具家電付きと被りますが、玄関の人感センサーライトや、浴室乾燥機、豊富な収納、天井吊り下げの室内物干しなど、結構便利な設備も多かったです。
築浅物件であれば意外と遮音性が高い
出典:レオパレス
遮音性が高いというのは、レオパレスの常識を覆すような話ですが、築浅(2014年以降くらいか?)で高遮音界壁などが標準装備となったノンサウンドシステムの物件であれば、私の住んでいた物件同様に遮音性は高いと思われます。
ただし、足音や物音など建物を伝う音はそこそこ聞こえます。
レオパレスの悪いところ
家賃が高め
良いところとして家具家電付きをあげましたが、家具家電付きゆえに家賃は高めの設定になっています。
家賃が割高なので、メリットとして挙げた仲介手数料不要・更新料が安い恩恵も長く住むほどに薄れていきます。
レオパレスは長期入居には向かないと思います。
家賃交渉に応じてくれない
契約更新の時期に自分の住んでいる物件をネットで調べたところ、別の部屋が自分の住んでいる部屋の家賃より6000円程安くなっていたことがありました。
レオパレスに電話して、自分の部屋の家賃も同額にできないか交渉してみましたが、「空室の家賃は時期によって変動するが、既に入居している人の家賃は入居時の値段から変更できない」旨の回答をされました。
割高の時期に入居してしまった人は、ずっと割高の家賃を払い続けないといけないということです。
割高の家賃を払い続けるのも嫌なので、この時点で引っ越そうか検討したのですが、当時は家賃以外の不満点はなかったので、面倒くさくてやめました。
まとめ
レオパレスに6年間住んだ感想を書きました。
家賃が割高である不満点はあるものの、意外と快適に暮らせていました。
「レオパレス=壁が薄い」というのは、築浅物件であれば必ずしも当てはまらないと思います。
ただ、木造住宅の限界で、足音、物音はそこそこ響くので、音に敏感な人は鉄筋コンクリートのマンションや一軒家の方が良いと思います。