前回、ヘッドライト磨き作業の手順を紹介しました。今回は磨いた後のコーティング剤であるワコーズ ハードコート復元キットについての使用感などを書いていきます。
⇒耐水ペーパーを使ったヘッドライト磨き 少ない費用で効果は抜群
- ワコーズ ハードコート復元キットはどんな商品?
- 使用方法
- 仕上がりはどうか?
- 耐久性はどうか?
- コート剤の使用期限はどのくらいか?
- 何回(何台分)くらい施工できるか?
- ヘッドライトコーティング剤の中では優秀
ワコーズ ハードコート復元キットはどんな商品?
経年劣化したヘッドライトカバー表面の黄ばみやくすみを素早く取り除くヘッドライト用ベース処理剤と、常温で硬化し、耐候性・耐久性・密着性に優れたヘッドライト用コート剤のキットです。
商品箱の説明書きの一文です。
ベース処理剤の方は超微粒子コンパウンドが含まれていてコート剤を塗布する前にヘッドライトをきれいにするものです。
メインとなるのはコート剤の方で、主成分のケイ素系化合物がガラス状の硬質被膜を形成してヘッドライト表面を保護してくれるようです。
特徴としてはコーティングの持続期間が6~12か月と長いことです。また、業務用として売られているので、多くの回数(台数の車に)施工できます。
使いかけですが、中身はこんな感じです。業務用という割にコート剤の方は量が少ないかなと感じましたが、実際に塗布するときは1回につき数滴程度しか使わないので十分な量です。
使用方法
ベース処理剤で磨く
まずは、ベース処理剤でヘッドライトの表面を磨きます。説明書には特殊界面活性剤の効果により黄ばみを浮かせると書いてありますので、普通のコンパウンドよりはこちらのヘッドライト磨き専用品を使う方がきれいにする効果は高いのだと思います。
しかし、ヘッドライト表面に劣化した純正のハードコートが残っていたり、ざらつきがひどい場合はこのベース処理剤だけではきれいにならないと思うので、耐水ペーパーを使って削り落としてしまった方がいいと思います。
耐水ペーパーとコンパウンドできれいに磨きあげ、仕上げとしてこのベース処理剤を使えばよりきれいになると思います。
ちなみに、ベース処理剤を使った磨き作業は必ず必要というわけではないと思います。別で耐水ペーパー、コンパウンドで磨いてヘッドライト表面をきれいにしている場合は省いてコーティングから始めても大丈夫だと思います。
コート剤を塗布する
磨き作業が終わったら、この商品のメインとなるコート剤をヘッドライトに塗布していきます。
コート剤塗布前に、ヘッドライト表面を脱脂する必要があります。私はカーシャンプーでよく洗いました。
コート剤塗布は付属のスポンジを使います。上の写真のようなサイズにカットできるようになっています。黒い部分にコート剤を染み込ませて使います。
この細長いスポンジ、サイズが絶妙でいいのです。指で掴みやすいため繊細な作業ができ、ヘッドライトの際の部分もこの細さのおかげできっちり塗ることができます。
そして横に長いのでコート剤をヘッドライトに塗るとき往復させる回数が少なくて済みます。(コート剤は速乾性があるため、素早く塗り終わる必要がある)
また、黒い部分に染み込ませられるコート剤の量は限られているので、コーティング終了後、染み込んだまま使わないコート剤の無駄が少なくて済みます。
コート剤を拭き上げる(素早く!)
コート剤を塗布し終わったらムラがなくなるように均一に拭き上げていきます。説明書通りにいくと未使用のティッシュペーパーを使います。
ここで注意点ですが、コート剤は速乾性があるので、すぐに拭き上げる必要があります。説明書にも「直ちに」という文言が記載されています。ティッシュペーパーを近くに置いてスタンバイしておいた方がいいです。
拭き上げた後は、拭きムラに気付いても拭き直さない方がいいです。既にコート剤が乾き始めていて、ベターと伸びてしまい、白っぽくなります。多少ムラがあっても乾くと分からなくなるので、そのままにしておくのが無難です。
拭き上げ後は水に濡らさない
コート剤の塗布・拭き上げが完了したら12時間は雨や水滴等で濡れないようにします。施工後1週間は洗車も控えます。手で触ってみると何となく柔らかい感じなので、定着するまで時間が掛かるのだと思います。
ちなみに私は夜に洗車場で作業したのですが、これは失敗でした。帰り道に当然ヘッドライトを点灯して走行しますが、ライトの明かりに寄ってきた小さい虫が数匹、乾ききってないコーティングに付着してしまいました。
仕上がりはどうか?
コート剤塗布後、1週間経った状態。ヘッドライト表面は透き通っていてきれいです。手で触ってみると表面をしっかり覆っている感があり、コーティングとしての効果が高そうなのが見て取れます。
磨き作業で消し切れなかった磨き傷もコーティングによって埋まり、目立たなくなっています。
耐久性はどうか?
商品の説明上は、「6~12か月間に渡り美観を保持します」と書いてありますが、実際にはいつまでコーティング効果があり、ヘッドライトをきれいに保てるのか気になっている人もいるかと思います。
車の保管環境や使用状況によっても変わるとは思いますが、私の場合、満足いくほどきれいな状態を保っているのは6か月程度かなと思います。
だいたい6か月程たつと、そろそろ磨きなおそうかなと思い始めます。今回は9か月ぶりにヘッドライト磨き・コーティングをしました。
でも6か月経つとかなり黄ばんでくるとかではなく、うっすら黄ばんでるかなくらいなので、毎日見てる車だと分からないくらいだと思います。
この車はヘッドライトの中のめっき部が青くなっているので劣化具合が分かりにくいですが、少し黄ばみがあります。
追記 4か月弱経過後の様子
施工から4か月弱経過後のヘッドライトの状態です。夏真っ盛りの時期を過ぎた後の状態確認ということで。
写真だと分かりづらいですが、レンズを近くで見るとうっすらと黄ばんでいることが分かります。上や真横から見ると特に分かりやすいです。
施工直後のようなクリアさはありません。遠目から見てもちょっと黄ばんでるかなと感じます。
ヘッドライトの端っこの赤く囲った部分にコーティングの境目のような部分があります。端の方が剥がれたのか端の方だけコーティングが残っているのかどっちなんでしょう。
車の保管状況やコーティングの厚みによって結果は変わると思いますが、真夏を挟む場合はコーティングの持ちは3か月くらいなんでしょうかね。
追記 5か月経過後の様子
天気・光の方向によって写りが変わるので写真だけでの判別は難しいですが、透明感が薄れ、黄ばみも少し進行しています。
全体的にコーティングは剥がれ、赤く囲った部分に中途半端にコーティングが残っていると思われます。透明度が周りと違うので分かると思います。コーティングが剥がれた部分は表面が劣化して少しくすんだように見えます。
真横から見ると良く分かりますが、レンズ表面は薄っすらと黄ばんでいます。
人によってどの程度の黄ばみ・くすみまで許容範囲か変わると思いますが、私的には施工後、5~6か月したら再度磨きたくなる頃でしょうか。
コート剤の使用期限はどのくらいか?
実はコート剤の使用上の注意に、下記の記載があります。
●長期保管すると硬化して塗布できなくなることがあるため、お買い上げより2年以内に使い切ること。また、開封後は6か月以内に使い切ること。
業務用で量が多いので、業者ではなく、一般の人が買う場合、1度使うと6か月以内に使い切らないといけないというのはさすがに厳しい気がします。
実際どうかというと、私の場合は、コート剤を初めて使用したときから2年程経っていますが、今回も硬化していることもなく普通に使用できました。意外と長く使えます。
空気に触れるのが良くないと思うので、容器のふたは結構固く締めて、容器をチャック付きの小袋に入れてなるべく空気と触れないようにして保管していました。
何回(何台分)くらい施工できるか?
車や塗り方によっても変わると思いますが、私の場合、4回施工してコート剤の残りは3分の1ちょっとくらいです。6~7回分くらいはありそうです。
※更新
5回目を施工して、残りはぎりぎり1回分くらい。ただ、施工時にコート剤をこぼしたりもしたので、慎重に扱えばもっと使えると思います。あと結構厚塗りしているので、少量ずつ使って薄塗りすればもっと持つと思います。
ヘッドライトコーティング剤の中では優秀
ワコーズ ハードコート復元キットは業務用で量が多く、値段も高めですが、計算してみると1回あたりの費用はそこまで高くなく、個人使用でも十分に使い切れる量なので、長い目で見るとお買い得です。
ヘッドライトコーティング剤はたくさんありますが、ワコーズ ハードコート復元キットは仕上がりはきれいでコーティング効果も比較的長持ちです。非常にコスパが高いと言えます。
ちなみにヘッドライトのコーティング(というよりも保護)で、おそらく耐久性が一番あるのはウレタンクリアによる塗装です。
※先日やってみました。↓