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【レビュー】CX-60 XDを1年乗った感想③|走り・ドライブフィール編

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前回の続き。

CX-60 XD(FR)に約1年乗ったレビュー③(走り・ドライブフィール編)です。

冗長な文章になっているかもしれませんが、AI時代のいま、どう感じたかの一次情報ってすごく大事になってくると思うので、長ったらしく書きます(笑)

前回も話しましたが、この車相当気に入っています。

まさにドライビングエンターテイメントSUVだ!

CX-60は「ドライビングエンターテイメントSUV」というのが開発コンセプトにあるよう。

プレミアムSUVでもなく、スポーツSUV(スポーツが重複する表現なのはさておき)でもない。CX-60に1年乗って思いますが、「運転がエンターテイメント」というのは、まさに言い得て妙。

なぜなのか?頭の中を整理したところ、ゆっくりの速度域でも楽しいから。

  • 走りのダイレクト感がある(エンジン、ミッション、ステアフィール等)
  • 存在感強めのエンジン音とトルコンレスATの歯切れのよい変速で運転してる感が強い
  • クロスした8ATのおかげで、日常の速度域で直6ターボエンジンを結構踏める

なにげない街中走行や移動の道のりが楽しいんですよね。

1.8トン越えの重量級ボディでありながらヒラヒラ感があって、アップダウンのあるワインディングは特に楽しいです。

ロードスターのSUV版って言われることもありますが、まさにそういう乗り味を目指して開発されたのだろうと思います。

重心が高くて走りには不利なSUV形状。車は大きくなるほど、動きがおおらかになり、運転の楽しさは減っていくイメージですが、これだけ操縦する楽しさにあふれた車をつくったのは見事だと思います。

このこだわりこそがマツダなんですかね。あっ、これが「人馬一体」なのか!

癖は強めだし、静かに快適に目的地に運んでほしいという人には合わない車だと思います。

 

やっぱりターボ車が好き

CX-60 XDの搭載エンジンは直列6気筒3,300ccのディーゼルターボ。

ディーゼル車は初所有。

当たり前なことですが「ディーゼルターボ車ってターボ車なんだな」と実感しています。

アクセルを踏むと、シューというターボ音とともに、図太いトルクが出る感じはガソリンターボ車とまんま同じ。

ガソリンターボ車よりターボの存在感が強く、より低回転、少ないアクセル開度でターボが効いているのが分かります。

逆にターボ頼り感が強く、ターボなしでは3.3Lあっても加速は鈍いだろうなと思うほど。

CX-60はターボの音が車内に良く入ります。

クロスした8ATとの組み合わせにより、ある程度踏めるので、日常の速度域でも「シュー→変速→シュー→変速」というターボの加速を存分に味わえます。

ディーゼルは0発進ではなく、中間加速や速度回復させるときのトルク感がいいです。ターボの音とともに湧き上がるトルクが気持ちいい。

エンジンポテンシャルのおいしい部分を日常域で味わえるのが、満足度を高めます。

NA→ターボ→NA→ターボと乗り継いできましたが、やっぱりターボが好きです。速いからじゃなくて、ターボの音とトルクの出方が好きなんですよね。

前車V37スカイラインは高回転エンジンのVQ35HRを積んでいるのに、ワイドなギア比もあって、ほとんど回せず、2000回転付近のトルクで走る感じで、物足りなさを感じることもありました。

3000回転以上回すと速度が出すぎるし、エンジンをしっかり味わえてない感があったんですよね。

踏めるエンジンはやっぱり楽しいです。

 

野獣感のある直6ディーゼルサウンドがいい!

4気筒ディーゼルエンジンの音が「ガラガラ」「カラカラ」と表現されるなら、直6ディーゼルは音質がより連続的になり、「ギャラギャラ」「キャラキャラ」という感じ。

ディーゼルといえども直6になると、なかなかいい音がしますし、高回転側も滑らかに回って気持ちいいです。

マツダの4気筒ディーゼルはガソリンエンジン?と思うほど静かなのに対して、6気筒ディーゼルは結構音が大きいです。1~3速くらいまでの加速時は「ギャララララン」のような勇ましい音がします。

巡行中はかなり静かです。

初めて3.3XDを試乗したときは「エンジンうるさいな」と思いましたが、今となってはこの独特の野獣のうなり感のあるエンジン音がかなり気に入っています。

アイドリング、巡行中、上まで回したときのエンジン音、それぞれで違う表情があり、オーディオよりもエンジン音を聞いていたくなります。

ちなみに、音がうるさいといっても、マツダの4気筒ディーゼルとの比較で、直6ディーゼルでも車外に聞こえるエンジン音は他社ディーゼルよりは静かだと思います。

今の乗用日本車で直6ディーゼルエンジンを搭載するモデルは、CX-60/80以外はないので、他にない唯一感のある音が所有感を満たしてくれます。

 

車内に聞こえてくるエンジン音は、2000回転以上回すと少し音質が変わるのですが、素のXDの場合、これがスピーカーからの人工音なのかは分かりません。

スポーツモードにするとちょっとだけ音質が変わる気がするので(プラシーボかも)、ノーマルモードでは素の音だと信じたい。

個人的にはスピーカーで人工音を出すのはあまり好きじゃないんですよね。スカイラインもそうでしたが、せっかく6気筒エンジンを積んでいるので、生の音だけを聞かせてほしいものです。

トルコンレス8速AT:低速域でギクシャクはある

ギアが8段あるのはいいとして、トルコンレスを採用したのは良い点/悪い点、両方あります。

1~3速くらいまでシフトショックはありますが、マナーはいいし、基本的には半クラをつかって滑らかにつないでいきます。

ただ、特定のシチュエーションでギクシャクが大きく出るときがあります。

一例として、狭い交差点で、発進後フル転舵で左折してすぐ上りになるとき。

イメージ画像:AIにて生成

①1速で発進

②アクセル緩め、ハンドルを大きく切って左折

③速度が落ちて半クラッチ状態(疑似クリープがあるので完全にクラッチは切ってないと思う)になる

④上り坂に差し掛かり、再びアクセルを踏む

④のときに、ミッションが迷ってるのか、半クラのまま一瞬無反応なときがあり、その後1速につながったときにブレーキが掛かったような感じで、体が前につんのめるときがあります。

ステアリングを大きく切った状態、かつ上り坂なので、必要トルクの判断が難しいのか?とにかくギクシャクするときがたまにあります。

半クラにならないよう少しアクセルを踏み1速を維持させながら進めば、このような挙動にはなりません。

とにかく、極低速(速度が落ちて半クラ状態になる)ときのアクセルワークが雑だとギクシャクにつながります。

半クラ操作やギア選択が自分でできず、コントロールはアクセルワークでしかできないオートマゆえの難しさですかね・・・

ただ、慣れてくると、ミッションの音やアクセルをチョイ踏みした時の反応で、「今は1速なのか、半クラなのか、2速に入ろうとしているのか」などが何となく分かるようになります。アクセルワークでのコントロールが上手くなり、このようなギクシャクは発生しなくなります。

極低速域ではドライバー側に待ちの姿勢が必要というか、車の反応をみて、操縦する必要がある感じですね。

 

※適当にピックアップした各車のギア比
車種 CX-60 XD スカイラインHV X3 20d(G01) スープラ IS350 CX5 XD
駆動 FR FR 4WD FR FR FF
ミッション 8AT 7AT 8AT 8AT 8AT 6AT
第1速 5.258 4.783 5.250 5.250 4.596 3.487
第2速 3.303 3.102 3.360 3.360 2.724 1.992
第3速 2.129 1.984 2.172 2.172 1.863 1.449
第4速 1.705 1.371 1.720 1.720 1.464 1.000
第5速 1.300 1.000 1.316 1.316 1.231 0.707
第6速 1.000 0.870 1.000 1.000 1.000 0.600
第7速 0.822 0.775 0.822 0.822 0.824 -
第8速 0.628 - 0.640 0.640 0.685 -
後退 4.034 3.858 3.712 3.712 4.056 3.990
最終減速比 3.307 2.611 3.231 3.154 3.133 4.090

CX-60の8ATは、1速のギア比が5.258(最終減速比は3.307)とかなり低いです。守備範囲が狭く、普通のアクセル開度では13km/hくらいで2速にあがります。

20-23km/hで2速、30~33km/hで3速のようにシフトアップしていきますが、トルコンATと違い、変速時に一瞬の駆動オフが入るので、0発進からの加速はややもたつきを感じます。

また、一般的な6MTの1速よりずっと低いギア比であるにもかかわらず、発進時以外でも結構1速に戻す制御になっています。速度が下がると半クラを使いながら回転合わせて「ギュワーン」という音とともに、1速に落とします。

6MTで1速を使うのって、本当に完全停止から動かすときか、上り坂で歩くほどのスピードまで落ちたときくらいだと思います。ほんの少しでも動いていれば、私は2速で半クラ使って繋いでいました。

今は慣れているので何とも思わないですが、「いまのとこ2速じゃダメなのかな、半クラで回転合わせてまで1速に落とす必要ある?」と感じていました。

 

歯切れのよい変速、気持ちいいレスポンス 

出典:マツダ技報

良い点は、トルコンレスATとしたことで個性が際立っています。

同じマツダのトルコン6ATも滑らせる領域は狭く、ほぼロックアップしていると聞きますが、それと比べてもトルコンレス8ATはダイレクト感が強いです。(トルコンレスといえども、構造的には遊星歯車機構を使ったトルコンステップATと同じで、MTとは違うらしいですが、感覚的にはMTに近いダイレクト感のあるフィールです)

段付きがあってポンッポンッと次のギアに受け渡していく加速や、クッと駆動の掛かる感じが気持ちいいのです。

個人的には、特にアクセルOFF時のエンジンブレーキのフィールがかなり好き。ギアの直結感やかすかに聞こえるミッションの音から、MT車の感覚を思い出します。

変速時に駆動が一瞬切れることによるショックはギアが低いほどありますが、不快なショックではなく、マナーはいいので、リズム感のある加速は心地よいです。

速度を乗せていく過程を楽しめるというか、この感覚はMT車に近い。

敷地から出て変速しながら40km/hまで速度を乗せ、交差点に差し掛かりアクセルを抜いて、エンジンブレーキによる減速が入る。こういう日常の加減速を楽しめるのです。

トルコンレスATはギクシャクが取り沙汰されがちですが、この車の走り質感においては、陰の立役者といっていいくらい、かなりいい味を出しています。

スカイラインハイブリッドも同じくトルコンレスATでした。スカイラインはエンジン/ミッション間にあるモーターを活用することで、変速時の駆動切れを消し、ショックはなかったですが、アクセルに対するダイレクト感はCX-60と比べると薄めでした。

 

日常の速度域でこそ8速化の恩恵がある

ギアを多段化するメリットは、ワイドレンジ化で高速での回転数を下げられることもありますが、60km/hまでの常用域でクロスさせられる恩恵の方が大きいと思います。

ギア比がクロスしていて、加速時だけでなく減速時も速度に応じて積極的にシフトダウンします。速度に応じたちょうどいいエンジンブレーキがかかるし、速度コントロールがしやすいです。

減速時はブリッピングしながら1速ずつシフトダウンするので、かっこよくて良い。

速度に応じたちょうどいい回転数にスタンバってくれるので、アクセルを踏みなおした時のレスポンスもいい。

 

基本1000~1500rpmを常用して加速します。回転数を抑えられるので燃費にもききます。

55km/hで7速(1050rpmくらい)まで入るほど低速側も細かく刻める8ATなので、ギアのつながりが良くて気持ちいいです。

そして、クロスしているからこそ結構エンジンを回せる!

3.3XDは1500~3000rpmで最大トルク500N・m発生しますが、速度が出すぎない領域で3000rpmまで回せるので、エンジンを存分に味わえるのが満足感を高めます。

 

ただし、クロスしていて常に低い回転を維持することによる弊害もあります。

例えば50km/h巡行中に、少し加速したいときや上り坂に差し掛かったとき、トルクのあるディーゼルなのでそのままのギアを維持してほしいのですが、結構シフトダウンしてしまいがち。

そうすると、自分のイメージしている加速感と少し変わります。ターボによるトルクでいってほしいとこを回転数で稼いで進む感じになるので、なんかちょっと違う。

巡行時のシフトダウンは歯切れ良い感じではなく、ぬるっと回転数を上げる感じになります。

アクセルを踏んだ一瞬だけ回転数が上がり、アクセルを緩めると、すぐにシフトアップして回転数が下がるので、どことなくCVTっぽさを感じます。

 

とりあえずここまで。次回につづきます。

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